★もう2年も前から
『潮流、海流発電』について、このブログの中にカテゴリーを作って、追っかけてきた。
このシリーズの一番最初は2009年6月8日、『日曜日に会ったおもしろい人』から始まっている。
私は事務屋で技術の難しいことはさっぱり解らない。
海の話だし元海兵で、元川崎重工の副社長高橋鉄郎さんに、鈴木清美さんを6月10日に神戸の川重本社で、お引き合わせすることから、私の『潮流、海流発電』話は始まっている。
その後元社長の田崎さんにも紹介したし、明石の技術研究所を訪ねて技術屋さんたちといろんなお話をさせて頂いたりもした。
いろんな経緯があったが、
この『ノヴァエネルギーの潮流、海流発電』は、その後、その事業としては、そんなに上手く行っているとは言えないのは事実である。
ただ、この原因は、
そのシステムのコンセプトの問題ではなくて、現在の国の補助金制度の弊害というか、ベンチャー企業には2億円の助成が出ても、むしろそれが経営の問題点を浮き彫りにしてしまうのである。お金はそのまま使えないし、そのお金を目当てにいろんな人が群がってきてしまうのである。
然し、その基本コンセプトは、非常に優れていると、私は今でもそう思っている。
ごく最近、川崎重工業が正式に『潮流、海流発電の分野に進出することになったようである。
こんなイメージ図が出ている。
★ 2年前と今とでは『自然エネルギーに』に関する関心度が全然違っていて、いまは完全に追い風に乗っている。
2年前にも『潮流、海流発電』に興味を持ったのは、
ノヴァエネルギーの鈴木清美さんの『潮流、海流発電』の基本コンセプトに共感したからである。
太陽や風力と言った自然エネルギーに比べて、比較にならぬほど安定した『潮流』
24時間止まることなく一定方向に流れる『海流』
そのエネルギーを、
船長さんの経験から、海を知り尽くしていて、
且つ船やそれに付随する既に出来あがっている碇やスクリューや、いろんなシステムを応用して、
回れば電気は発生するという理屈から、その回転体を作って
流木や藻など何が流れてくるかも知れない『そんな海の中でも大丈夫な形』の回転体にして、
それを数多く作ることで、発電量を増やし、且つ物体のコストを下げて、
『原発に匹敵する、安い電気を大量に作ること』
という、技術的にはそんなに難しくはなくて、
むしろ事務屋にもよく理解出来るコンセプトに共感をしたのである。
★私の故郷、川崎重工業が『潮流、海流発電』の分野に乗り出して頂いたことは、大いに拍手なのである。
そして発表された記事などには、重工業として手掛けたいろんな分野の技術を集積して、今回のプロジェクトに臨もうとされていることもいいと思う。
この問題に、2年以上も付き合ってきたので、何となく事務屋だが、『一種のカン』は働くのである。
そんな『カン』を頼りに、思うところを忌憚なく述べさせて頂くなら、次のような点をどのようにお考えなのであろうか?
順不同に粗っぽく素人の意見を申し上げるが、素人の意見も結構当たるのである。
『安い電気を大量に』の『安い』というところが、基本コンセプトから抜け落ちている。
発電などというのはそんなに難しい技術ではないのである。
子供が作る風車からでも発電する。回転すれば発電するのである。
出来るだけ、例外のないどこでも通用するシステムを考えるべきである。
従来既にある技術を繋ぎさえすれば、それで十分なのである。
複雑極まる海の底に構造物を固定するという発想は、『個別対応になるので安く出来るはずがない』と思ったりする。
電力の消費者は勿論企業もあるが『一般大衆』がその対価を支払っている。
世界で一番高い水準の電気代を支払っているのは、掛ったコストをそのまま電気代に上乗せする従来の『電力会社優遇の仕組み』がそうさせているのである。
原発に代わる新しい自然エネルギーによる発電は、『安い電気』を目指して欲しいものである。
是非、潮流、海流発電の基本コンセプトの第一に『安い電気』を第一に取り上げるべきである。
それともう一つ、海の底に構築物を設置する方式で、果たして原発に代わる、原発を上回る発電量が確保できるのだろうか?
★この4つの回転体が回って発電する。回れば子供の作る風車でも発電する。その形状や羽の形は幾らでも改善すればいいのである。
その形態は、流木や海を流れてくるものが仮に当たっても大丈夫の形態になっているという。風車のような形状はそんな物体にぶつかると壊れる可能性大である。
津波の引いた後の水の流れのいっぱいの『瓦礫』にも対応できるものであって欲しい。
それは想定外では、東京電力と同じである。地震―津波―停電は避けなければならない。
この回転体を繋いでいる縦長の物体は、実は縦長の船なのである。
こんな形で浮いているのは、中には海水が入っているだけなのである。タンカーなども空の時には、海水を入れて調整するのは常識なのだそうである。
そして、このタテ型の船を固定しているのは、『碇』で留めているというのである。
大丈夫か?と聞いたら大丈夫と言っていたが、実は碇だけでは大丈夫でなくて、淡路の岩屋では流れてしまったのである。それ以降碇のほかに大きなコンクリートの錘と併用することで対応している。
タテ型の船は作れるか?
その船は碇と錘で留めれるか?
回転すれば電気は発生するか?
これがもし『Yes』なら、潮流発電も海流発電も簡単なのである。
私は川重でも二輪部門の出身である。
トータルの仕組み構築は専門の分野だし、量産でコストがどれだけ下がるかもよく解っている。
川崎重工業の中で圧倒的に売上高の多いのは、航空機や船ではなくて一番単価の安い二輪部門なのである。
発電さえすれば、その数を増やせば原発の発電量と同じにするのも簡単である。数が増えたらその製造コストは考えられないほど安くなる。
海流発電は如何に広い面積を使っても、土地代のような費用は発生しない無償なのである。
川重が一番得意の造船と、量産事業のソフトノウハウが抜け落ちて、難しいことにチャレンジする技術屋さんの発想になってしまっている。
これは、『安い電気』をどのように創りだすかという、単純な事務屋の発想が要るのでは、と思ったりする。
月の経費はタダの5000円というNPO法人を私は今経営している。多分そんな法人は世界でも珍しい。何故そんなことが出来るのか?
それは、既にあるものを上手に繋ぎ合わせているからである。
発電など、大した技術ではない?
わざわざ難しいことをしなくても、今ある技術を繋ぐだけで大丈夫、出来る。
物事の発想の仕方が少しおかしい。もっと単純で大丈夫である。
技術屋さんはむしろ、送電の新しい技術などを研究して欲しいものである。
『海の底に建造物を造る』この発想はどう考えても頂けない。
『そんなの簡単、安く出来るよ』と仰るのなら、大賛成である。
その費用は、一般大衆が負担する『電気代』に転化されるという非常に社会性の高いプロジェクトであることを忘れないで欲しい。
川崎重工業のOBとして、世界に胸の張れる素晴らしいプロジェクトに育って欲しいと願っている。
個人的には、原発はもういらない、原発に代わるどんどん発展性のある量産事業の仕組みがベースにあるべきだ。
この事業の担当は『量産事業の二輪車部門が一番適している』と私自身は思っている。
他の重工業の事業部では、原発に代わる発電システムには育たないと思っているのである。
船と量産事業の二つのノウハウを持っているのは川崎重工業だけである。
発電などそんなに難しいものではない。
基本コンセプトは、あくまでも『安い電気』であるべきで、
それを生み出すシステムは『既存のノウハウの組み合わせ』が一番安いはずである。
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