★『辞書なのに爆売れ。異例のヒット・カープ仕様国語辞典をつくった出版社員たちの辞書愛』
https://www.businessinsider.jp/post-188193
こんな表題の記事があった。
辞書が『バカ売れ』しているという記事である。
三省堂が3月4日に発売した「三省堂国語辞典 第七版 広島東洋カープ仕様」(税込3240円)だ。初回出荷は2万部だが、売れ行きは好調だという。
「辞書がこんなに売れることはない」
表紙にカープのマスコットキャラクター「カープ坊や」が描かれている国語辞典。発売後から広島県内の書店では異例の売れ行きだというのである。
普通の辞書なのだが『ちょっとだけ違ったこと』をやっている。
例えば『球場』には、カープのことをちょっと入れたりしている。
『差別化』はマーケッテングの基本中の基本である。
三省堂の担当者はこんなことを考えたようである。
「他社と違ったこと、もっと違う切り口ができないかと考えたときに、生活の中で一番重要な趣味はなんだろうか、と。それはスポーツだろうと。スポーツだったら野球だ。」
そこでまずは熱狂的なファンが多いことで知られるタイガース版で、と営業部からアイデアが出て、同社の編集トップの取締役が阪神ファンだったこともあり、「それは良い!俺がやる!」と自ら陣頭に立ち、直に球団と交渉して出版にこぎつけ、2018年3月に発売されたタイガース版は、辞書としては異例の4万部を記録した。
というのである。
★当然の流れで第2弾という話にもなり、そこで次は今一番勢いに乗っている広島カープで作ろうとなったというのである。
第1弾で陣頭指揮を取った取締役は熱烈阪神ファンだったから、そんな想いれがヒットに繋がっているのである。
カープに思い入れが特にない人間が作ってもファンたちには見抜かれるというので、社内にいるカープファンを抜擢して対応したのだという。
それに辞書の『紙の質』にも拘ったという。ネット時代の中で、『紙の辞書の良さを再認識してもらいという願い』があったようである。
『紙の辞書』は単行本より早い段階で電子化が進んでいて、子どもの数が減ってスクールマーケットも縮小し、紙の辞書の売り上げ部数は減少が続く中でのヒットなのである。
この話はなかなかオモシロい、いい話である。
ずっとマーケッテングの分野に携わってきた私には『格別にオモシロい、いい話』なのである。
物事を成功させる基本は『差別化』がまず第一だと思うし、次にそれをやる担当者の『情熱・熱っぽさ』だと思う。
何事にも基本とか本質の追求が大事なのだが、それは簡単なようでムツカシイ話なのである。
久々に『いい話』を見つけたので、ご紹介しているのである。