★ アメリカに1ヶ月半も行っていたら、その間の郵便物も結構貯まる。
そんな郵便物の中に、幾つかの雑誌や冊子が送らて来ていたが、ちょっと時間が出来たので読んでみた。
孫の保証人をしている関係で慶応大学からこんな冊子も来ていたが、
殆どはカワサキ関係である。
そういう意味では、やはり川崎重工業やKawasaki 、カワサキには今になっても関係はあるのだと思う。
オートバイの表紙にはなっているが、これは川崎重工業の機関誌だし、相信は川重のOB会の冊子である。
KAZEの機関誌 今も私は現役会員だから毎回送られてくるのである。
そんな中のひとつに カワサキバイクマガジン も毎号送って頂いているのである。
★ 私は、そんなにバイクのことは詳しくはないので、記事を読んでも解らぬことも多いのだが、今月号にあった『こんな記事』のことについては、カワサキのどなたよりも詳しく正確に詳細に解っているのである。
今月号のバイクマガジンの記事に中に、カワサキの正規販売店 『Sports Inn』の記事が載っていて、懐かしく読ませてもらったのである。
字が小さくて読みにくいが、その記事は
『82年に先代が始めたスポーツイン。創業2年目にメカニックとして入社した山口秀氏が00年に店を引き継ぎ、現在同店を切り盛りしている。・・・・』 で始まっているのである。
この記事には「先代」と書かれている『佐々木さん』とは密接に関係があったし、この Sportus Inn はその経緯から言って『私が創らせた』ようなものなのである。
1982年と言えば40年近くも前のことだが、FX400が出たころのことで、私は当時のカワ販の常務で国内市場を担当していた時期なのである。
佐々木さんはそんなカワ販を担当する広告代理店の社長さんだったのだが、多分、春ごろに販売網や販売店のことで議論をしていた時に、私が『販売店でもないのにホントに解っているのか?』などと言ってからかったら、その年の7月頃になって、突然『店を創っています』と言いだすのである。『古谷さんにホントに解っているのか?と言われてちゃんと解るようになるためにオートバイ屋を出すことにした』というのである。そのあたりの素早さが佐々木さんらしいし、やることもびっくりするほど先進的なのである。
それでオープンしたのが Sports Inn なのである。
当時は『・・モータース』などの店名が普通の時代に Sports Inn という店の名前もユニークだったし、40年経った今もそのまま通用する、めちゃかっこいい店だったのである。
Sports Inn のホームぺ―ジ http://sports-inn.com/
にはこのように書かれていて、そこに載せられている『店のシンボルマーク』は当時の店のままに残されているのだと思う。
82年の日記を見て、それが何時だったのか探してみたら、82年7月24日にオープンし、そのオープンの日には私も現場に行ったのだが、びっくりするほどの客の賑わいだったのである。
7月26日の日記に、『佐々木さんから来店のお礼の電話があった。2日間で700人ほどの来店があって10台ほどの予約が入った・・・』と書いている。700人はびっくりする数だし、10台もスゴイ数なのである。当時としてはめちゃくちゃインパクトのあった店だったことは間違いないのである。
佐々木さんは広告業界で結構有名人とも付き合いが多く、あとで聞いた話だが、確か『堀ひろ子さんと腰山峰子さん』もオープンの当日Sports Inn を訪れたようである。 この話は、私の定年後『峰子さん』とお付き合いができてから、何かの時に『峰子さん』から聞いた話なのである。ご存知の方も多いとは思うが、堀ひろ子さんは女性で初めて鈴鹿を走ったライダーだし、腰山峰子さんとペアでアフリカのラリーに挑戦などもされているのである。若くして亡くなられたが、峰子さんは未だ現役、いろんな形でお付き合いがある。
Sports Innは、大阪のカワサキ特約店の中でも有力店として存在していたのだが、佐々木さんがどなたかに店を譲ったとは聞いていたが、それが山口さん だったのである。
★ちょっと、違った観点から、Sports Innのことを。
カワサキとはそんな深い繋がりのあるSports Inn だが、このお店は『カワサキ専売店』ではないはずである。専売店が大流行りの世の中だが、私は現役時代から『カワサキ・オンリー』政策はあまり好きではなかったのである。オンリー店政策はメーカーが、自らの車だけ沢山売ろうというという政策で、特にユーザーにとってはそんなにメリットはない。カワサキもヤマハも持っているユーザーからすると二軒の販売店とお付き合いしなければならない。
販売店が望んで『オンリー店』になるなら兎も角、メーカーがそれを強要するのは、業界のためにも、ユーザーのためにもよくないと思っていた。『オンリー店はメーカーのエゴ』だと思うから1990年代までは、カワサキの特約店は専売店ばかりではなかったのである。Sports Inn もそんなことで明らかにカワサキ主力だが専売店ではなかったはずである。
そんな先代佐々木さんが創った Sports Inn を引き継いで今を切り盛りされている 山口秀 さんもこの記事を読まして頂くと、ホントに確りとお客さんのことを思ってのお店の展開をしておられるように思う。
『噛めば噛むほど味の出るそんなお店を目指していきたい』と言われている。
何年か前の話だが、三木アネックスパークで Sports Inn のユーザーの講習会があると聞いたので、『講師に山本隆さんでも頼んであげましょうか』と言ったら、『ユーザーはホントの初心者ばかりですから・・・』と丁寧にお断りがあったりした。確かにユーザーはただ上手くなるだけではなしに、『地道走行を楽しみたい』というレベルの人たちもいるのである。ユーザー第一に考えている Sports Innなかなかいいなと思った。
Sports Innは、NPO The Good Times の団体会員さんでもある。http://www.thegoodtimes.jp/
★佐々木さんが Sports Inn を創って、販売店のノウハウを確りと身に付けてくれたので、その後カワサキはいろんな形で佐々木さんのお世話になっているのである。
東京のカワサキのレースで有名だったトキワモータースのご主人が突然亡くなられた時に、その店を一時引き継いで貰って、そのあと関初太郎さんに繋いでくれたのも佐々木さんだし、カワサキが国内でジェットスキー市場に本格的に進出を試みた時には、神戸の灘区にあった吉田純一さんの店を借りて、ジェットスキー国内1号店を展開してくれたのも、佐々木さんなのである。
ふとしたことで読んだ 懐かしい Sports Inn の記事なのだが、スタート以来40年も経っているのだが、カワサキ独特の深い繋がりで、何となく関係のあった皆さんと今でもFacebook などで毎日お付き合いがあるのは幸せなことである。