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大槻さんと田崎さん

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★今朝一番にかってのカワサキのレース仲間の大槻幸雄さんと田崎雅元さんからメールが入った。

 お二人はカワサキの初めて会社が正規に認めた鈴鹿のジュニアロードレースの監督・助監督コンビなのである。

   

そのアマチュア6時間耐久レースの写真(これも田崎さんが私に送ってくれた)

このレースが歳森康師とのコンビで金谷秀夫のレースデビュー戦でもあった。

お二人とは、そんな昔のレース仲間の関係もあって、いまも尚いろんな形で繋がっているのである。

 

 

★田崎さんからは、昨今新聞を賑わした話題を二つからのメッセージを頂いた。

 

まずはヴィッセル神戸に入団した『イニエスタ』のことである。

 

・・・・ユニフォームの背面の Kawasaki がテレビ、新聞など主要メディアに大きくアピールされ計り知れない恩恵を受けたようです。・・・Kawasaki-Rakuten のコンビを強化するチャンスだと思います。過去に、GPレースのスポンサーをお願いした事がありますが、時期尚早という事で実現しませんでした。楽天が欧州進出を計っている今、Kawasaki ブランドとのタイアップは非常に有効でインパクトがあると思いますので、この機にもう一度MOTO GP のスポンサーをお願いしてはどうかな・・・・

 

  

 

この機会にもう一度 MOTO GPのスポンサーをお願いしたらと思っているようなのである。

これは実現したらなかなかオモシロいなと思っている。

         

  

 三木谷さん、明石高校出身のようで、面識はないが後輩にあたる。明石高校も大物を産んだものである。

 

 

 

★ もう一つは、最近マレーシアのマハテイールさんが92歳で首相に返り咲いたというニュースが流れたが、これに関してこんなメッセージが写真と共に送られてきた。

 ・・・・ご存知のとうり、マハティール首相と川重は親密な関係にあり、私もモーターサイクルのマレーシア国産プロジェクトで、何度もお会いしています。大庭さんが、よく「俺とマハティール、サッチャーは同じ年の生まれだ」と云っていました。

 

大庭浩・髙橋鐵郎・田崎雅元さんの3人が揃って写っている。この時は大庭川重社長時代だと思うが、私は大庭浩単車事業本部長・髙橋鐵郎副本部長時代の番頭役を務めていたので、大庭さんのあの独特の性格が思い出されて懐かしい。

大庭さんはサッチャーさんでも、マハティールさんでも、物怖じせず自然に近づいて行かれる独特の性格をお持ちなのである。

 

      

 

 田崎さん、元気になられたので、川重の現役諸君も三木谷さんにも、マハテイールさんにも気軽に話のできる田崎さんを大いに利用されたらいいと思う。

 その田崎さんは、ごく最近オートポリスのレース観戦にも行かれたとか、こんなメールも頂いているのである。

 5月12日(土)~13日(日)は、12年ぶりに大分に飛び、翡翠之庄で広瀬知事夫妻と懇親会、翌日はオートポリスのレース観戦というスケジュールでした。・・・朝から霧と雨で開催が危ぶまれたJSB1000Rd.3の決勝。11:00頃から奇跡的に雨が止み、霧が晴れて、レースが始まり、結果はカワサキの1,2フィニッシュで関係者は久々の快挙に大喜びでした。 カワサキがレイン用タイヤをつけず、後半の路面の乾きで一挙にスピードを上げ、10位ぐらいのところから、ごぼう抜きで1,2位を得するという戦略的な勝利でした。・・・93年にNYから帰国後、夫婦で観戦したスズカ8耐で初めて優勝した事を思い出しました。・・・・

 最後に書かれている93年の鈴鹿8耐は私も一緒だったし、岩城滉一と一緒に会食したのもこの時のことなのである。

 田崎さん、結構ちゃんとバイクに乗れるのは彼の自慢である。こんな写真を一緒に送ってくれたのである。

      

 

 

★現在は、こんなカワサキの二輪事業の展開だが、昭和37年当時は大変だったのである。

ごく最近私のブログに、大槻さんからこんなコメントを頂いたのである。

  Yukio Otsuki 極東空軍のジェットエンジンのオーバーホールでいち早く、ジェットエンジンの仕事を始めたが、仕事が減って将来がなく、単車事業に将来を期して、昭和35年に本格的に事業を開始したが、早くも昭和37年にB7のクレームなどで、撤退を真剣に検討していた時代を想起します。撤退とは何事だと憤慨したことを思い出します。

 

  

 

 ホントにあの頃は大変だったのである。

 川崎航空機はエンジンは専門で、エンジン技術者はプロがいっぱいだったし、アメリカ空軍のジェットエンジン・オーバーホールをやっていて、その生産管理方式は、最先端のアメリカの生産システムノウハウを持っていたのだが、車体設計だけは素人で最初の125ccB7はその車体欠陥で返品が相次ぎ大変だったのである。 

そんなこともあって、『この事業を続けるべきか否か』日本能率協会が調査に入っていたのが昭和37年なのである。

その当時の人たちは、みんな血気盛んだったように思うのだが、その最先端が技術部の人たちで『撤退とは何事だと憤慨したことを思い出します。』 とコメントで書かれているように、こんな係長総意の文章もあったようである。 

当時を現わす貴重な資料だと思うので大槻さんから、わざわざお送り頂いたので、ご紹介しますのでご一読下さい。

当時の技術部の若手の熱っぽさがよく出ているし、その後再開されたカワサキの二輪事業は、こんな人たちの熱意の下に展開され、『カワサキ独特のブランドイメージ』に繋がっていくのである。

 

 昭和37年5月20日 単車製造削減方針に対する意見書草案

今回、我々は当社の基本方針が単車製造を大幅に削減するという報せを受け、その意義が余りにも大きく、且つ我々が受けた精神的打撃が測り知れざるものであることをご認識頂きたく、甚だ僭越ではありますが、我々の所感の一端を述べ、経営者の方々のご批判を仰ぐ次第でございます。

顧みれば2年前当社の生い立ちから当然のことですが、民需部門拡大の第一歩として敢えて競争激烈なオートバイ界に乗り出すべく、単車製造の大方針が打ち出され、社の主力が結集されました。そしてその任に当たる我々は仕事の重大性を充分認識してより良きものの生産に全力を傾けて努力邁進した次第です。

不幸にして我々の設計した単車はあまりにも速い技術的進歩の故に、はっきり申しまして現在市場で多売されているものに比して劣ったものであったことは認めざるを得ず、その責任や誠に重大なものであり、”クレームが出て売れない”という言葉を耳にするにつけ、「今に見ておれ」と身を切る思いで歯を食いしばって来た次第です。

 技術的な問題については、我々は決して責任を回避し、弁明するものではありません。然しながら”ローマは1日にしては成らず”の譬えのごとく、成果は蓄積された技術の集積によるものであり、僅か1年や2年の設計期間にて、この激しい競争に打ち勝って他社より優れたものを作るのは不可能なこと、今や我々の研鑽は実を結び、早くも世間並みの線に達し、近い将来設計開発するものは、間違いなく他社を圧倒するものであり、その前途や見るべきものがあると思います。そして我々は単車製造が当社の重大な仕事であることを充分認識するが故に臥薪嘗胆必ずや他社を圧倒する製品を設計して見せます。又設計しなければならない決意と責任に燃えている状態です。

かくの如く漸くにして他社を圧倒する製品を設計し得る状態に達したその時に、単車削減の方針となり新規開発は全て中止の理解し難きことでございます。若しここで新規開発を止めんか、わが社は単車界の物笑いとなって消滅しなければならないでしょう。ひいては永久に民需部門に乗り出す機会を見出すことが出来ず企業界からも消滅する運命を辿らざるを得ないでしょう。

一方、販売網の弱体を見聞するに及び我々一人一人が単車を連ねて販売店を廻り”売り込み、売って見せる”の意気に燃え、石に噛り付いても単車製造を成功に導くべく決意に燃えている次第です。

単車製造は極めて厳しい競争場裏に飛び込むことであり、2,3年は現在の如き業績不振が起こることを覚悟して而も尚単車製造によって民需部門進出の第一歩とされたことを思えば、現在の状況に陥ることは当然のことであり、今ここに単車製造の方針を撤回されるということは誠に理解に苦しむところであります。

かくの如き事情を改めてご考慮下され、今回の処置に対して敢えてご再考のほどお願い申しあげます。

                                          係長一同

   

 

  この日本能率協会の調査が行われたのは、昭和37年(1962)のことだがこの年新発売された125B8が好評で、青野ヶ原のレースで 好運にも恵まれ1位~6位独占で、事業部内の意気が上がり、昭和38年1月に『単車再建宣言』が出され、日本能率協会の再建の条件の一つの『広告宣伝課』の設置が決められて、私はその担当をすることになるのである。

 それから3年間、本社開発費で年間1億2000万円の広告予算が与えられ、その中での『レース運営』でもあったのである。

 ホントに懐かしい時代で、みんな若かったが熱っぽかったのも間違いないのである。

 

 

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 雑感日記のEnglish Version です。


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