★カワサキの単車事業ももう50年以上になろうとしている。
カワサキの単車の長い歴史を振り返ってみると、カワサキを引っ張ってきたのは技術部門で、
その開発陣が世に出したマシンの数々が、現在のカワサキの輝かしいブランドを築き上げたことは間違いない。
ただ、そんな長い歴史の中で、マーケットが事業を引っ張った時期が2度あると私は思っている。
その1回目は、
1966年アメリカのシカゴにAmerican Kawasaki が設立されたマシンで言えばA1の時代から、H1,Z1中心の時代で、KMCが設立されて、現地にR&D もLincorn工場もつくられ、Kawasaki Let the good times roll! というコンセプトが発表された1973年ごろまでのアメリカが輝いていた時代である。
このアメリカ市場の成功がなければ、カワサキの単車事業は世に存在しなかっただろうと思う。
この時期のアメリカ市場での成功がヨーロッパへの進出を促しカワサキの二輪事業が世界への展開となっていくのである。
ただ、この時期を過ぎて1974年からの数年間で、アメリカ市場はスノ―ビークルの失敗、ハ―レ―のダンピング訴訟、さらにはHY戦争の影響を受けて、惨憺たる状況に陥り、川重本体にも影響するような事業存続の危機に見舞われたりするのである。
★そんな時代を乗り越えて、1990年代に入るころ高橋鐡郎本部長時代が、マ―ケットオリエンテッドの基本方針で、本部長自らの言葉でそれが語られ、実践もされた
第2回目のマーケットが事業を引っ張った時代だったと思う。
その当時のマーケットの主流はZEPHYRE人気にわき、レースでも唯一鈴鹿8耐をカワサキが制した国内市場で、、ホンダさんに『1強3弱』などと言わしめた何年間だったのである。
その高橋本部長時代に、ずっと発行され続けたMIND という冊子があって、この創刊号から15号までを、先日カワサキの熱烈なユーザーの美樹さんから頂いたので、そこに記載されている記事を中心に何回かに分けてご紹介してみたいと思っている。
当時の二輪のマシンで言えばこんな時代で、同時にジェットスキーも世界展開で輝いた時代なのである。
MIND とは
M Market 顧客重視
I Innovation 構造改革
N Network 情報管理
D Development 人材育成
を徹底して追求したMarket Oriented の時代で、それを引っ張ったのは国内市場であった。
そんな時代が懐かしい。
鈴鹿8耐にカワサキが念願の優勝を果たしたし、世界のレースでも国内でも、非常にカワサキが活躍をした。
KAZEを中心にした一般社会を巻き込んだ活動も盛んで、
こんな小さい子供たちも視野に入れた活動が、KMJの広報を中心に展開されていたまさにマーケットオリエンテッドの時代だったのである。
そのベースになったものが、この時期国内市場で復活し、高橋本部長の決断で世界展開となった『Good Times Concept』なのである。
このGood Times Concept こそが、このマーケットがKawasakiをリードした時代の象徴だと思っている。
当時のMIND にこんなに詳細に紹介されているので、そのまま転載してみる。
是非、今の現役の方もよく読んでみて欲しい。
★このGood Times Concept が世の中から消えることのないことを願って
5年前から、こんな基本コンセプトで、NPO The Good Times と言うNPO 法人を創立し活動展開しているのである。
そんな経緯から高橋鐡郎さんや当時の仲間、田崎雅元さんなどは、設立時からの会員さんで参加されているのだが、高橋さんは相談役で、
田崎さんとは『孫文を語る会』で協働したりもしたが、今年からはその活動も第2期に入る。
マーケットがKawasaki を引っ張ったように、『Good Times Concept』が世の中を引っ張れたらいいなと思っている。
★English Version です。
★NPO The Good Times のホ―ムページです。
★毎日発行される NPO The Good Times 新聞です。