田中将大選手の契約金の話から大リーグやスポーツ選手の年俸、さらには日本の球団経営などまで、
なかなかオモシロかった。
非常に詳しい数値のデータ―などもあって、マーケッテングのプロにしか書けないブログである。
田中将大投手の話題が絶えません。ヤンキースと7年で総額1億5500万ドル(約161億円)の大型契約を結んだことに世間は驚きました。初年の年俸が2,200万ドル(22億4,400万円)。凄いですね。まさにアメリカン・ドリームです。しかし驚くことはありません。それよりも目を向けるべきは、日本のプロ野球の収入の少なさや選手年俸の安さのほうなのです。
という書き出しで始まっている。
・・・・ざっと世界の頂点に立っているスポーツ選手の年収について・・・・
・・・ヤンキースのアレックス・ロドリゲス選手の年収が3,030万ドル(およそ31億円)ですが、・・・それでもスポーツ選手長者番付ではなんと18位にすぎません。・・・・・
ちなみに・・日本人で唯一ベスト100位に入っているのがあのイチロー選手ですが、イチローをもってしても77位です。
スポーツ界で野球選手の年俸は、バスケットやゴルフ、サッカーなどに比べてそんなに高くはないのである。
それが個人のスポーツ選手の年俸なのだが、球団関係のレベルでは、
・・・メジャーリーグは各球団の年俸合計の平均が、およそ110億1600万円、日本のプロ野球球の平均は22億6000万円で、なんと5分の1程度しかありません。
・・・・・田中投手ひとりの契約年俸を、球団で上回るのは巨人、中日、ソフトバンク、阪神の4球団だけで、・・・・・・ ・・・巨人軍は昨年は38億1,600万円でしたが、ヤンキースは241億7,600万円と桁違いです。・・・・・ 野球球団の年俸合計日米比較(単位:万円)
こんなに格差があるのでは
日本のプロ野球球団はメジャーリーグ選手養成機関でしかなくなって当然でしょう。
と指摘していて、確かにそう言われてみても仕方がナイ現状なのである。
そして、こんな現状は、日本の球団経営のシステムの旧さと言うかむしろ経営者の経営意識の旧さから来ているものだと指摘されている。
その原因は、プロスポーツチームの収入格差で、トップはレアル・マドリードで663億円、2位にFCバルセロナの625億円、3位がアメリカンフットボールのダラス・カウボーイズで550億円、・・・・ヤンキースは第5位で480億円となっています。
日本のプロ野球では、ソフトバンクが247億円、読売ジャイアンツが218億円、阪神タイガースが200億円で、最下位の横浜ベイスターズが55億円だったそうです。・・・ アメリカが高いのではなくて日本の現状が低すぎるのである。 さらに厳しく、このように指摘されている。 つまりビジネスに失敗しているのです。 とくに米国のメジャーリーグと日本のプロ野球の格差がこれだけ広がったのはここ10年だそうです。 ★『ビジネスに失敗』 と指摘されているし、『格差がこれだけ広がったのはここ10年』と言われている。 これは、独り野球界に言えることではなくて、 日本のあらゆる経営にある意味言えるのではないかと思う。 特に、この10年、20年その仕組みに殆ど変化の見られない業種がいっぱいなのである。 20年前の仕組みでも、黒字だからいい と思っている、日本独特の発想がそんな結果を産んだのではなかろうか? 家電業界もそうだし、二輪業界などを見ても、かっては世界を席巻していたのに、この20年で、世界に追いつかれ、追い越されてしまっている。 世界は、どんどん進むのに、日本だけが、特にその『発想の分野』で日本の枠の中に閉じこもってしまって、 単に黒字や赤字だと言うレベルでウロウロしていたと言わざるを得ないように思う。 日本のビジネス界も野球に限らず、 もっと根本の部分に着目しなければ、イケナイのだろうが、 理念を持たない日本独特のサラリーマン経営者が何年かでバトンタッチして行く従来の構造では、ちょっと無理なのかも知れない。 大西さんはこのブログの最後をこのように締めくくっておられる。 それぞれの球団がバラバラに経営を行い、プロ野球そのもののファン拡大や市場の育成を行う仕組みになっていないツケが回ってきているのでしょう。 球団がそれぞれのオーナー会社の広告手段にすぎず、野球そのもののビジネスを育てるという視点が欠けていたことが日米のプロ野球球団のビジネス格差、また海外のトップのプロスポーツチームとの格差につながったとしか考えられません。 日本のサービス産業は伸びているとはいえ、先進国と比べればまだまだ経済のサービス化では見劣りがすること、また老人が支配し、改革を阻み、産業が停滞してしまっているという点でも日本のプロ野球は、日本経済の病巣の縮図に見えてきます。★English Version です。
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