★ 『永遠のゼロ』 本は読んでいない。
今日、映画を観ただけである。
大東亜戦争、当時はそう呼ばれていた。
真珠湾攻撃が行われて、突如戦争に突入したのは、小学校3年生の時だった。
朝鮮京城(今のソウル)にいたが、その鮮烈さをよく覚えている。
開戦後半年ほど、ミッドウエ―海戦までの日本軍は連戦連勝で、ホントにこのまま世界が日本になるのではと思っていた。
この映画はそんな時代から、日本が追い込まれて特攻機による攻撃が行われる終戦間際までの物語で、
子どもの頃、歌にも歌われた『ラバウル航空隊』の物語でもある。
いろんな感想もあるのだが、
主人公が戦後 『どんな日本になるのだろう』 というクダリがあって、 今私たちはそんな日本に生きている。
この映画に登場する生き残った人たちは、年齢で言えば、私より5歳ほどの年長者で、ほぼ同じ時代を生きた人たちである。
★国のために『死ぬ』ことが正義であった時代、 主人公の『生きよう』とする『死なせないように』 動くその行為は、映画の中でも否定がその当時の趨勢であったのはよく理解できる。
そんなお国のために散った若者たちの犠牲のうえに、今ある日本は、確かに平和で『いい国』にはなった。
そんな現代に生きる人たちが、 『永遠のゼロ』 を読んで、 『永遠のゼロ』 を見て、そのどこに共感を覚えているのだろうか?
『自爆テロ』と 『特攻隊』 は果たして一緒なのかどうか?
この映画を見て、 映画そのものよりも、 『今の日本』 は確かに平和で、豊かで、便利で素晴らしい。
でも、何となく、 平和ボケして、物事に対する『一徹さ』みたいな、人間が持っている素晴らしいものを忘れているような気がしてならない。
戦前の、軍国主義と言われる時代に生きた人の方がその点 純粋で一徹 ではなかったか?
映画を見て、映画自体の感想よりは、そんなことばかりを今思っている。
『映画よかったですか?』と聞かれたら、 即座に『よかったです。』 と言えるのだが・・・・
今の若い人たちも、『よかった』と言われる方が多いに違いないいい映画ではある。