★ 今年に入ってニュースを賑わしているのが『イラン』である。 アメリカがイランの英雄と言われていたソレイマニ司令官を殺害したことから、イランのアメリカ軍基地攻撃などもあったのだが、さらにイランがウクライナ旅客機撃墜を撃墜したりして、今度はイラン各地で指導部に対する抗議デモが広がっている。 などという展開になっている。
『デモは首都テヘランをはじめ、南部シラーズ、中部イスファハンなどで行われた』などという、かって私が訪れたことのある都市の名前などが出てきたので、もう50年以上も前のことだが、『イランのこと』を想いだして、日記をひっくり返して見てみたりしたのである。
★ 私は結構世界の各地を訪れているのだが、イランは1回だけだが、1976年の6月に10日間も滞在していて、そんなに長く滞在した国はアメリカ・タイに続いて3番目で、北から南まで市場調査で動き回ったので、今となっては懐かしい想い出の国なのである。
この時代はまだ『王政時代』で、カワサキと提携していたバイクの生産工場がサベイという町にあったのだが、その時点でカワサキの『CKD事業展開』を今後どのように進めるべきかという市場調査の一環でイランを訪れることになったのである。
その時はタイ・マレーシア・インドネシアなどの諸国を同時に訪問したのだが、そんな国の中でも『イランは飛びぬけておかしな国』という評判で、調査団の人たちは『イランは行きたくない』と言う人が多かったのだが、逆に私は『どんな国なのか?』非常に興味・関心があったのである。
★イランなど行かれた方は少ないとは思うが、こんなところにイランはある。
結構大きな国だが、10日間を掛けて北から南まで、結構広く動いたのである。私たちが訪れた『首都テヘラン、南部シラーズ、中部イスファハン』はこんな位置にある都市である。
ご覧の通りの砂漠の国で、確かに一言で言うと『大変な国』である。
回教徒の国だから、会議をしていても突然お祈りを始めたりするし、『事業計画』など将来のことは『神様の分野だ』などと仰るし、価格交渉なども価格を決めることよりも、『価格交渉をすること自体』を楽しんでいるようなところがある。
私も好奇心だけは人並み以上にあるので『ペルシャの市場』と言われる『BAZAR』にも独りで出かけてみたのだが、一つものを買うのも大変で、『値切らない限り』無茶苦茶な値段のものを買わされることになるのである。
さらにびっくりしたのは、数字が『1,2,3,4・・・』ではなくて、『イランの数字』が特別にあって、我々にはとても読めないし分らない。飛行機の座席も、ホテルの部屋も、二つの数字を交互に使って『1』の次の『2』の座席にはイラン数字が使われている。領収証はイラン数字だから、貰っても役に立たなかった。50年経った今でもそうなのかなと思ったりする。
砂漠の国だが、テヘランのまちには立派な緑があって、町の北にある湖から1日に何回か水を流して、大木を育てて立派な町に仕上げている。シラズなども砂漠の中に突然『緑の洪水』かと思われるような美しいまちが現われるし、ホテルも日本以上に立派だった印象なのである。
最後に訪れた町、中部のイスファハンからは飛行機でテヘランに移動することになっていたのだが、『突如、飛行機が飛ばなくなって』それがどうなるのか、あとの予定が全然わからないのである。 そのあたりは全く日本などと違うところで『神のみぞ知る』世界のような国で、いくら聞いても埒があかないので、タクシー2台で、テヘランまで400キロを走って戻って来たりしたのである。 その間は殆ど砂漠で何もない。
石油だけが豊かに眠っている国なのかも知れない。
★こんな状況だから、『イラン人はおかしい』と言うのだが、その時の日記に私はこう書いている。
『みんな「イラン人はおかしい」というけれど、1億人ほどしかいない日本人よりも回教徒の数は圧倒的に多い。その人たちから見たら「日本人はおかしい」と思うのでは・・・どうも、日本人は客観的にモノを見ずに、「すべて自分のほうから発想する」ところがある。』などと記していて、今思ってもそんなところがあるなと思ってしまうのである。
★当時はホンダさんなども工場をお持ちだったし、タイヤメーカーの工場なども立派に展開されていたのだが、1979年だったか、イランの体制がいまのように変わってしまったので、それ以降は関係がなくなってしまったのである。
イランがウクライナ機撃墜を認めたことを受け、首都テヘランで11日、犠牲者176人の追悼集会が抗議デモに発展した。保守系ファルス(Fars)通信が報じた。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はツイッター(Twitter)で、デモを行うイラン国民の「味方」だと明言し、イラン政府が弾圧を行わないようくぎを刺した。
などというニュースも流れているのだが、
かってのように『アメリカとも仲良くできる昔のような体制』に、もう一度戻るようなことはないのだろうか?
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