★白頭山節 などご存じの方は今どきおられないのかも知れぬが、私にとっては思い出の唄である。
小学校時代に伯父に神戸や有馬の花街に連れていかれた時に、伯父や芸者さんがよく歌っていた唄なのである。
そんな伯父のお蔭で川崎航空機にも入社できたので、社長以下重役さんが新入社員の歓迎会をして頂いた席上で、私は『白頭山節』を歌ったことを思い出すのである。
ちょっと歓迎会の席上では似合わない唄なのだが、伯父の友人でもあった当時の砂野仁社長が何か一言、感想を言われたのを思い出す。
その歌詞は
「白頭御山に 積りし雪は 解けて流れて鴨緑江(ありなれ)の ああ 可愛い乙女の 化粧の水」というのである。
今思うと、如何にも新入社員の歓迎会の時に歌う唄ではないように思うのだが・・・その時には既に他界していた伯父に感謝の気持ちで、私自身が歌いたかったのである。
★白頭山は北朝鮮と中國の国境のこんなところにある山である。
私は戦前の朝鮮で小学校時代を過ごしたし、当時の朝鮮は南北などには分かれていなくて一つだった。
戦後、日本は分断されなかったのに、何故か朝鮮だけが南北に分断されてしまったのである。これは不幸な出来事で当時の大国のエゴだと思う。そこから朝鮮の不幸が始まっているのである。
韓国や北朝鮮を悪く言う人も多いのだが、私自身にとっては朝鮮は『第二の故郷』であり、早く南北一緒になって昔のような朝鮮になって欲しいなとずっと思っているのが正直な気持ちなのである。
今回3回目の南北会談で、韓国大統領が聖山とも言われる『白頭山』に登るというので、『白頭山節』を思い出したのである。
当時は鴨緑江は、朝鮮と満州の境を流れる川だった。
見たこともないし、勿論行ったこともないのだが、当時の小学生でも鴨緑江や白頭山は知っていたのではないかと思っている。
でも『白頭山節』を知ってたのは、おそらく私だけだったのだろう。
子供のころ覚えた歌詞は70年経った今でも、すっと出てくるから不思議である。
そういう意味で、『朝鮮が好きだ』というのも素直な気持ちなのだと思う。
南北会談も、あとに続くであろう米朝交渉も上手くいって欲しいと願っているのである。