★「江戸っ子は皐月の鯉の吹流し」と言われるこいのぼりは、江戸時代中期の裕福な庶民の家庭で始まった習慣だという。
昔の人は日本の季節を生活に上手く取り入れている。
5月5日の端午の節句の頃は、毎年鯉のぼりに丁度いい風が吹くものである。
そんな季節の風に乗って泳ぐ鯉のぼりは、なかなかいい。
私の小学校の頃の『鯉のぼりの歌』は、こんなムツカシイ歌詞だったが、一番だけは今でもちゃんと覚えている。
子供の頃の記憶力というのは大したものである。
「鯉のぼり」の歌詞
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり
百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり
最近は『こいのぼり』の 歌詞はこちらの方が一般的なのだと思うが、
「こいのぼり」の歌詞
やねより たかい こいのぼり
おおきい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
どちらにしても一般の人家の屋根の上を泳いでいるものだと思っていた。
★ところが、昨今はいろんなところで、大規模な鯉のぼりがあげられている。
世の中、変わるものだが、こんな日本独特の風習は、後世に上手く引き継いでいって欲しいものである。