★昨年発刊された二輪雑誌 Life Cycles が 2月号で『カワサキ特集』をすると言うので、その取材依頼がありKawasaki Good Times Plaza で2日間に亘り東 信亨記者さんと一緒の時間を過ごしたのである。
延べ15時間にもなったが、二輪業界の様々な事柄について取材と言えば取材だが、二輪の仲間たちが集まっての大雑談会だったのである。
1日目の午後から6時過ぎまで、登山道夫さんや かってカワサキの技術部にも、明石カワサキにも在籍された二輪にかけてはプロ中のプロと言っていい MIKIさんも加えて、ちょっと他では聞けないであろうカワサキの二輪の話が途切れることなく続いたのである。
Good Times Plazaにはカワサキの車もあるのだが、ちょっと他では見ることのできない宝物のようなものもいっぱいだし、貴重な資料もあるのには、東さんもびっくりだったようである。
夕方からは、東さんと面識もある、御大山本隆さんも加わっての雑談会が延々と続いたのだが、二輪の話題からは一歩も外れないところは流石なのである。
東 信亨さんとは私は初対面だと思っていたのだが、実は3度もご一緒しているのである。
最初はこんな創成期のレース仲間が集まって開かれた東京での会合
『酒井文人& クラブマンレースを語る会』 の取材にも来ておられたようである。
http://blog.goo.ne.jp/rfuruya1/e/588c6a3e17bc16ce4225aa86a744e90e
もう6年も前になる2012年のことである。
そしてその翌年、『二輪文化を伝える会』の村島さんと松島裕さんが主宰で、山本隆と久保和夫さんが音頭をとって集まった
『日本のモトクロスのLEGENDたちの集い』にも取材で来られていたというのである。
http://blog.goo.ne.jp/rfuruya1/e/42e8cd4511d6455a2f33abe0bbfb5d28
日本モトクロス会の創世期を代表するまさに錚々たるメンバーたちなのである。
こんな会合に顔を出すことができる人はカワサキでもホントに数少ないのだが、私は『昔の仲間』としてお声が掛かるのである。
この二つの会合には、東さんは来ておられたようだが、お話することもなく終わってしまっているのである。
そしてこれは西明石のキャッスルホテルで開かれた『カワサキZの源流と軌跡』の会合の時の写真なのだが、この時も東さんは取材に来られていて、その時には私がいたことも認識されていたようなのだが、私は解らなかったのである。
★そんなことで今回は、初めての私に対する取材なのだが、お聞きすると浜脇さんも、大槻さんも既に取材されたようだし、種子島さんもよくご存じなのである。
旧いレース界にも詳しくて、片山義美・金谷秀夫・安良岡健・星野一義・金子豊・久保和夫さん など私が親しくしていた方と繋がっているし、山本隆さんは2年程前に取材もされているようなのである。
いま『二輪文化を伝える会』でいろいろとご活躍の松島裕さんにも『ご存じですか?』と聞いてみたら、こんな返事が返ってきたのである。
『東さんは、久保さんの会をやったときにご参加いただきました。二輪四輪問わずモータースポーツ系の歴史については、私なんぞより百倍詳しい方です!いつもいろんな記事を参考にさせてもらっています。金谷さんや片山義美さんとも懇意だったようですし、昨年は毛利さんの取材記事も書かれてます。ちょっと前には山本さんの記事も。神戸木ノ実についてもよく知っていらっしゃると思います。 Life Cycles の編集の方には、バイク漫画・イラスト関係で一度お会いしたことがありますね。雑誌自体はあまりちゃんと見たことはないですが・・・・』
そんな共通点のあったので、1日目は取材もあったが、なかなかオモシロい雑談が続いたのである。
★この Life Cycles と言う雑誌は私は初めてなのだが、非常に興味を持ったのは、メーカーの広告が一切入っていないのである。
メーカーの広告が入るとどうしても、新車中心になるし、提灯記事とは言わぬがもう一つ記事に独自性がなくなってしまうのである。
新車もいいが、二輪業界は圧倒的に旧い車で形成されているし、その全体が二輪ユーザーなのである。
そういう意味で、旧い人気車種を中心の雑誌は、他誌と完全に差別化されていてオモシロいなと思ったのが本音だし、初日はカワサキのこともあったのだが、私の『二輪業界への想い』みたいなものをお話する時間が圧倒的に長かったのである。
それは前日に編輯長さんからこんなメッセージ(概要)も頂いていたし、私も共感するところ大いにあったのである。
『・・・・弊誌は昨年2月に隔月刊の雑誌として創刊しお陰様で1周年を迎えることができました。現在、ネット、雑誌に新車情報が氾濫しております。かたや主に50代のバイク乗りが、回顧も含めて愛する80-90年代の250-400クラスのバイク情報は、圧倒的に不足しています。特に、アノ時代のバイクを「今乗ったらどうか」という時間軸での俯瞰記事が不足しているように、常々感じておりました。そこで、まずは上記のような、50代バイクマニアが喜ぶ、ワクワクする情報を届けたいしたいという想いから、弊誌の旧車インプレメインの構成が決まりました。
ゆえに、国内4メーカーおよびパーツサプライヤーからの広告出稿はまったくございません。ですが、ネットでほぼ全ての集合知が手に入る時代です。紙に刷った広告を本誌価格に含め「配信」することは、前時代極まるものであり、850円という高額商品を買ってくれる読者に対し背信ではないか?との考えのもと、弊誌は売上のみで勝負するという覚悟を持ちました。
その結果、誌面での配信コンテンツに、タイアップ前提の他誌と違う、独自性をもたせることができたと認識しております。また、昨今の取材を通しまして、20代の若者バイカーと話します折、バイクに興味をもった動機が「お父さんが乗っている(た)」「友人の父親が乗っていた」等、80年代のバイクブーム世代の背中を見て興味を持ち始めたとの意見をよく耳にします。
バイクブームのころと違い、いま自然にバイクに触れる機会のほとんどない若い世代は、親族のバイク(特に父親)が乗車のきっかけになっているのではないでしょうか。今、バイクに金を落とす、バイクに忠誠心の高い40-50代のバイカーはメーカーから無視されがちです。ですが、バイクを文化に昇華するためにも、社会的地位のある大人のバイク乗りをフォローすることは、実はとても大事なことではないか?と認識しております。弊誌をみて、オジサンたちが「コレ昔3万で先輩から譲ってもらったな。またバイクに乗ってみるかな」「いま乗ってるGPZ400R、もっと乗り続けてもいいんだ」「あのころ乗ってたZXR250、もう一回乗ってみるか。いっそZRX400でもいいな」と、少しでも思ってくれたらと幸いです。そして、そのオジサンたちの嬉々たる背中をみて、必ずや若者がバイクに乗ると信じています。』
いま、二輪業界に関わりのある人たちが考えなければいけないのは、二輪のユーザや『二輪に関心のあるヒト』は勿論、二輪は公道を走るので一般社会の方とも間接的に繋がっているのである。
もう30年も前、カワサキはKawasaKi Amuzinng Zone for Everybody の頭文字をとってユーザークラブ KAZEを立ち上げたのである。一番大事なのは Everybody なのである。 そんな基本コンセプトはどこかに行ってしまって『新車』ばかりに注目するような態度に、各メーカーがなってしまっているので、小さな業界がさらに小さくなってしまうのではないかと思ったりしているのが私のホンネなのである。
こんな新鮮なコンセプトをお持ちの雑誌が、これも新しく立ち上がった一般社団法人二輪文化協会や吉田純一さんなどと上手く連携出来ればいいなと思ったりしているのである。
★二日目は、東さんの質問に真面目に答えはしたのだが、いろいろと多方面に亘ったので、それをプロの記者さんはどのように纏められるのか、期待しているのである。
そのような個別問題と共に、このようなコンセプトをお持ちの雑誌が、メーカーなどの広告も取らずに独自の路線を歩もうとする姿勢に、ホントに共感なので、全体としてそのような感じの記事になればいいなとは思っているのである。