★御嶽海が白鵬に勝って、座布団が乱れ飛んだ。
『新関脇御嶽海(24=出羽海)が、大記録目前の横綱白鵬を止めた。右上手を離さずに、寄り切り。今場所2人目の横綱撃破で、勝ち越しを決めた。初黒星の白鵬は、元大関魁皇と並ぶ歴代最多の通算1047勝が持ち越しとなった。
頭上を飛び交う無数の座布団に、御嶽海は酔いしれた。「久々だなぁ」。大記録達成の瞬間を待ち望む空気が一変。押し相撲の力士が白鵬を寄り切った。まさに番狂わせ。観客は狂喜乱舞した。その表れの座布団に「今までで一番多く舞ったんじゃないですか」。そう、それだけのことをしてみせた。「いや~、うれしい。今までで一番うれしい」と何度も顔が緩んだ。』
上記は、日刊スポーツの記事である。
たまに見られる光景だが、この習慣は、
江戸時代に行われていた「羽織投げ」に端を発する。
この時代は、活躍した力士やひいきの力士が花道に引き上げる際、観客が自分の羽織を投げ込んだ。
羽織には家紋や屋号が染め抜かれているので、それを頼りに力士が持ち主に返しにいくと ご祝儀などを渡されたという。
ということらしい。
この江戸時代の贔屓筋の風習は、なかなか粋でいい。
ただ、現在の『座布団の舞』は、本来は禁止されている事項のようだが、何度か見たことがある。
放送で「座布団を投げないでください。危険ですので絶対に投げないでください」と何度もアナウンスが流れているらしいが一瞬の出来事で止めようもないし、誰が投げたのかも解らない。
昨日はホントに沢山の座布団が飛んだようである。
★この投げ花は、両国国技館が完成したのをきっかけに禁止になり、今でいう「懸賞金」という形に変わったというのだが、ただ、土俵に褒美を投げ入れる習慣は、座布団を投げるという形で今も暗黙の了解のように残っている。
ただ、座布団が『褒美』ということにもならないので、誰がやり始めたのか解らぬが、いいのか悪いのかよく解らない。
ネットで調べていたら、こんな二つの意見が載っていた。
●どう見ても危険ですものね。投げる方は「よくやった!」と興奮して力士めがけて投げる訳ですが、土俵の周りには勝負審判の親方たちや、控えの力士、それに「砂被り席」で観戦している一般の観戦者や、高価な機材を抱えているカメラマンもいるのですから。
●座布団の舞がないのは、相撲ファンにとってはとても淋しいですよね。
2010年の九州場所、当時前頭筆頭だった稀勢の里によって白鵬の63連勝がストップした事がありました。この時、当然座布団投げが起きると思いきや、この新型座布団のせいで一枚も座布団が舞うことがなく、賛否両論が起こりました。
これは『九州場所』では、座布団を固定して投げられないようにしているのだとか。
これについて、相撲協会は現在にいたるまでさまざまな対策を取っているようだが、かつての投げ花の伝統や相撲ファンの気持ちなどもあり、暗黙の了解になっているのが現状のようである。
★いろんな意見があって当然だが、『危ない』と言っても座布団だし、めったにあることではないので、『座布団の舞』もまた、『暗黙の了解』ぐらいでいいのでは、と思うのだが・・・