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加計問題  雑感

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 ★世の中で騒がしい『加計問題』は、いろいろ入り組んでしまって何が問題なのか解らなくなってしまっている。

よく解らないので、自分のためにこの問題を調べてみた。

 


岡山市の学校法人「加計学園」が獣医学部を愛媛県今治市に新設することを国が認めたのだが、この手続きをめぐって、加計学園理事長の友人である安倍首相、あるいは首相側近による不適切な関与があったのかどうか ということである。


1 獣医学部設置をめぐる手続きで、安倍首相の便宜はあったのか
2 「総理のご意向」などとする文書の内容は正しいのか
3 和泉洋人首相補佐官、木曽功内閣官房参与は設置手続きをめぐって前川氏に「圧力」をかけたのか
4 獣医学部新設の応募資格が加計学園に有利になるよう、萩生田光一・官房副長官が条件修正に関与したのか

この4項目の疑問に対して、いろいろ言われているのである。

 

そもそもその経緯は、加計学園は、国の国家戦略特区に獣医学部の新設を申請し、2016年11月に認められて、開設は2018年4月の予定である。

申請については、国家戦略特区を担当する内閣府と、実際に学部の新設を認可する文部科学省が協議した。

『その国家戦略特区とは何か?』 を調べてみると、

国家戦略特別区域は、今までの特区と異なり総理が主導の特区であり、これまでの地方から国にお願いして国が上の立場から許可するというものとは大きく異なるものであり、第二次安倍政権が進める新しい経済特別区域構想のことで、地域を限定した大胆な規制緩和や税制面の優遇で民間投資を引き出し、“世界で一番ビジネスがしやすい環境”を創出するのが狙いだと言われている。

特区を、国を代表して特区担当大臣、地方を代表して知事や市長、民間を代表して企業の社長という国、地方、企業の3者統合本部でミニ独立政府の様に決められる主体性を持った新しい特区で、この特区を活用して岩盤規制に切り込みたいというコンセプト なのである。

岩盤規制とは、役所や業界団体などが改革に強く反対し、緩和や撤廃が容易にできない規制をいい、医療・農業・教育・雇用などの分野にみられる。この役所に当たるのが文科省で国家戦略特区を担当するのは内閣府だから、その仕組みから言っても、総理側からの意向があることは当然なのだが、それが不適切であったかどうかが問われているのである。

文科省が『獣医学部の新設』を簡単に認めるのなら、わざわざ国家戦略特区内にそれを作ったりはしないはずで、文部省に任せていたら、何時まで経ってもそれは実現しないのでこのプロジェクトが始まっているのだろう。

前川(元次官)さんは「現在の文科省が官邸、内閣官房、内閣府といった中枢からの意向、要請について逆らえない状況がある」などと明かしたりしているが、大企業でもよくあることで『本社の意向に逆らえない』などと言ったりするのだが、それを解決するのはその時点の次官であった前川さんのまさにご自身の仕事であって、退官してからいろいろ言うのはどうももう一つである。

いま言われている文書や、関係者の言い分などはホントは大した問題ではないのだが、そんな話ばかりが飛び歩くので余計にこの問題を解らなくしてしまっている。

 

★要は、安倍総理がこの問題に、『どれくらい絡んでいるのか?』そして『不適切なことがあったのか?』が問題なのである。

安倍首相は5月29日、参院本会議で「圧力が働いたことは一切ない」などと自らの便宜を否定した。一方で安倍首相は、翌30日の参院法務委員会で加計学園との関係を問われ、「当選した当初、数年間、監査のようなものを務め、1年間に14万円の報酬を受けたことがある」と明かしている。

ただ経緯として、2016年秋の時点では、加計学園のほか、京都産業大も獣医学部新設を目指していたが、条件の修正によって京都産業大は応募資格から外れたのだが、萩生田光一官房副長官の存在が急浮上する中、1枚の写真が注目を浴びている。

 

缶ビールを片手にくつろいだ表情を見せる安倍晋三首相と萩生田氏。その間にいるのは同学園の加計孝太郎理事長だ。

 2013年5月に安倍首相の河口湖畔の別荘で撮影された写真。首相(左端)と加計孝太郎氏(左から2人目)、萩生田氏(同3人目)が談笑しているように見える=萩生田氏のブログ「永田町見聞録」より©

 写真は2013年5月10日に萩生田氏のブログに投稿されたて「GW最終日は青空のもと安倍総理とゴルフをご一緒した」と書かれている。

この写真を見る限り、3人は親しい間柄であることは間違いない。

萩生田さんは、加計学園の運営する千葉科学大で落選中に客員教授を務め、月10万円の報酬を得ていたし、衆院議員に返り咲いたあとも「名誉客員教授」を今も務めている。

 

一方、安倍首相も過去に同学園の役員を務め、年間14万円の報酬を得ていたし、千葉科学大の開学10周年式典では来賓としてスピーチ。「30年来の友人である私と加計さんはまさに腹心の友であると思っています」と述べている。交流は米国留学時代に始まり、学生という自由な身分でともに遊び、語り合った、そんな学生時代からのトモダチなのである。

世の中のいろんな事柄は、こんな繋がりでいろいろと進展するのはよくある話で、それ自体がどうということではない。

今回の事案を全体で捉えると、普通では役所や業界団体などの反対で実現しない案件を、国家戦略特区で内閣府が担当で推進するというのだから、安倍総理が賛成している案件であることは勿論で、そこに不正があったり、見返り報酬があったりすると問題だが、官邸側が推進の方向を取るのは当然なのである。

この案件の大きな流れをもっとマスコミは報道しないと、国民は全体の姿が理解できないのだと思う。

こんな国家戦略特区という仕組みが創られる背景には、官僚の許認可特権意識、関係業界との癒着や天下り等々、現在の日本の政財界の構造自体に問題があり、当の前川さんもそんな『天下り問題』の責任を取って文科省を辞めているのである。

この問題を調べたお蔭で『国家戦略特別区域』が創られた経緯や、『岩盤規制』という意味がよく解ったのである。

 

 

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