★若しZという車種が世に出なかったら、カワサキの二輪事業の歴史もまた違ったものになっただろう。
カワサキの二輪事業はこのZという世界の名車によって、『カワサキのブランドイメージ』が確立されたことがその後の事業展開にも大きな影響を与えたことは間違いないのである。
このZという車種が開発された当時、私は国内販社に出向していたので全然関係はしていないのだが、国内向けに750ccのZ2が発売された昭和48年(1973)は大阪の責任者で、カワサキ特約店制度をスタートさせた年で、このカワサキの新しい販売網政策が成功した大きな要素の一つに『Z2の発売』があったのである。
そんなZの発売40周年を記念して、当時このプロジェクトを推進したアメリカKMCの責任者浜脇洋二さんと、日本側の開発責任者であった大槻幸雄さんが中心になって、『カワサキZの源流と軌跡』を当時の関係者たちがそれぞれの担当部門の記述がなされた1冊の本に纏めたのである。
当時の開発の基本コンセプトやその経緯について興味・関心のおありのカワサキファンの方は、この本をお読みになることをお勧めする。
この度この本の出版元の三樹書房の小林謙一社長から、我が家にその新版が送られてきたのである。
従来の左側の黒い表紙に変わって、白い表紙になっているがその内容は全く同じである。
こんなメンバーで書かれていて、私もその末尾に国内の販売サイドのことや、現在もいろいろ関係している KAWASAKI Z1 FAN CLUB のことなどにも触れているのである。
これは、この本の発売記念を明石で開催した時に集まった著者たちで、13人が顔を揃えている。
一人だけ今はフランスにいる アラン・マセックさんだけが抜けているのだが、彼はこのプロジェクトの中心人物であり、当時のKMCを引っ張ったハーバード大学卒の英才なのである。
カワサキをアメリカ人の視点で客観的に観た記述だけでも一読に値すると思っている。
写真がないので、当時のKMCを支えた主力メンバーで真ん中右が岩城良三川崎航空機常務、その左が浜脇洋二さん、そしてその左が アラン・マセックさんである。
一番左が当時トーハツからカワサキに加わった杉沼浩さん、英語も喋れたし当時のアメリカの販売網も解っていたプロ?である。カワサキの後、最後はMFJの常務理事もされたので、レース関係の方はご存じかも知れない。
当時言われていた7人の侍の一人でもあるので、私などは個人的には杉沼さんに当時の話を聞いてみたいなと思うのである。
それはともかく、今回の新版の紹介である。
http://www.mikipress.com/books/2016/08/post-267.html
★この本の中には、Zのことも勿論書かれているのだが、百合草三佐雄さんが書かれている、
カワサキの1300ccの二輪エンジンを使った『クライスラーとの小型4輪車の開発』だとか100億円の支払いを命じられた『白バイのリコール訴訟』などは、如何にもカワサキらしい話なのである。
この二つの話は、Zの開発時期からはずっとあとの大庭本部長時代、私は企画室長時代の話なので非常に懐かしい話でもある。特に、『クライスラーとの話』は、実現してたらオモシロかったのだが・・・
Zそのモノの開発については、私は何も関係をしていないのだが、この本の著者の末席に加えて頂いたのは、4年前の2012年9月にアメリカで開催された『Kawasaki Z1発売40周年 Reunion』に浜脇・大槻さんなどと一緒に出席させて頂いたご縁なのである。
http://blog.goo.ne.jp/rfuruya1/e/99c72e403822d2fc5b2f8ff82ce0b64c
こんなブログにその時の様子をアップしている。
その時の写真の一部なのである。
この本の私の担当部門のところにも記載されているのだが、Z1 については単に販売しただけで何の関わりも持っていなかったのだが、このZ140周年を記念に設立したのが、KAWASAKI Z1 FAN CLUB なのである。
この40周年Reunion の時に、浜脇洋二・マセック・大槻幸雄さんなどの参加者が、その趣旨に賛同して参加頂いている日本に数あるZのクラブの中でも、なかなかユニークなクラブで、その情報発信などもなかなかなのである。
40年以上たった今も、Zの人気は、衰えを見せることなく益々人気なのである。
Kawasaki. Let the good times roll!
この本の中にも、何度も登場するこのカワサキの基本コンセプトをファンのみなさんと共に、引き継いでいきたいと思っているのである。
★この本とちょっとだけ関係のある近々の話を・・・
昨日のFacebook にこんなニュースが流れた。
神戸のカワサキワールドの『二輪ブース』が10年振りに改装されるそうである。
今まで『青野ヶ原のモトクロス』の写真などがあったのだが、今回は時代はちょっとずれて『ZとH』が取り上げられるようである。
『そんなZの写真』に、この『カワサキZの源流と軌跡』の本の中の写真が使われるようである。この本の中には、Zに関する昔の写真いっぱいだし、直接開発の当たった人たちが持っている貴重なものだが、果たしてどの写真が使われるのだろうか?
この本持ってやら、『カワサキワールド』とも何となく『繋がってる』ことになるのかも知れない。
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