★世の中一般に『グルメブーム』と云っていい。
テレビ番組でもいろんなグルメが紹介されているし、確かに日本の食文化は凝るし、それだけに「美味い」ということは認める。
私個人でいうと『食うことは好き』だし、人並み以上によく食うのは間違いない。ただ、性格が『いい加減』で、世の中にそんなにめちゃくちゃウマすぎるものなどはなくて、なんでも それなりにウマいのだと思っている。
高い、高級なものがうまいというのは、これは間違いで『数の少ないもの=高級=高い』のである。『高級なもの=ウマい』というのは多分間違っていると思う。
然し一般に高級だとか格式のある店などと勝手につけたがるもので、いわゆる高級料理や高級料亭などが世の中に存在することになるのだろう。
★戦後の食糧難の時代に育ったので、大体昭和一桁生まれは大概早食いで好き嫌いがなくて、なんでも『うまい』と云って食う人が多いように思う。
グルメだなんだといろいろ言ってる人たちはみんな豊かな時代に育って、孫たちを見ていると、あれは好き、これは嫌いと贅沢極まりないのである。 人間、育った、生きた環境にもよるのだろう。
ハマチの養殖が始まった時代は、圧倒的に養殖物が天然ものより高く美味いモノとされていたのだが、今はその逆なのである。大体、人の味覚というか、価値観はその程度のことだと思っている。
★なぜ突然こんなことを言っているのかというと、この週末なんでも高い観光地価格の鎌倉に行っていて、息子にいわゆる高級店でうまいものを食わして貰ったのである。
間違いなくそれはウマかったのだが、『うまい、美味い』と感激するようなものではなくて、普通に『ウマい』と思うのだが、息子をはじめ家内もみんな、それなりに理屈をつけて『うまい』と仰るのである。
私はどうも臭覚がダメで、香りがよく解らない。 息子に言わすと『香りで味が違う』などと酒の香りのことを口にするのだが、どうもそれがよく解らないのである。
『親父は、鼻がダメだから、どんなビールも同じになってしまう』と云われてしまった。 息子は私と違って、食いものにはうるさいほうで、行く店もそれなりに選んだりする。
連れて行ってくれた、確かに全国的にも有名なまつばら庵は、息子のマンションから200メートルぐらいの距離なので、お気に入りである。今回も昼もそばを食おうかと行ってみたら、1時間半待ちと云われて帰ってきた。
大体1時間半も待って、食うほどうまいそばなどはないのだが、『鎌倉のまつばら庵に行った』と云いたくて訪れる人いるのだろう。
夜は予約していたので、7時からそこでの会食となった。確かに魚料理も、サクラエビのかき揚げなども地元のモノなのだろうから美味かったのは間違いない。
これはビールの泡と、そのコップの話である。
これはFacebook にアップした記事なのだが、沢山の方に『いいね』を頂いたのである。
ビールのグラスを『ちゃんと綺麗に洗うとこんな泡のあとが残る』と息子は言う。
それで、『ビールの味まで変わる』とは思わないが、高級店の客をもてなす気持ちとしてはなかなかのもので、このようなことを書いたり、口コミする客がいるとしたら、それは高度な広報戦略だなと思った。
★昼、ここが1時間半まちだというので、由比ガ浜のドイツ料理店に行った。
ここも、『SEA CASTLE』という30年以上も続いているドイツ料理のお店である。
こちらの料理は、私は正直美味かったが、この店の有名な女主の対応にはちょっと困ってしまった。
まさに『ドイツ人』という対応で、『愛想などは、全然ない』 このお城に入ってきたら、このドイツの城の流儀に従え というのはいいのだが、それがまた 『露骨に直球』を投げてくるのである。
こんな感じのお店である。
こんなビールとグラスが運ばれてきて、この1本ビールをできる限り泡をたてないように、静かに寝かせて注いでいけば、ちょうどこのグラスにいっぱいのビールの量なのである。
息子も、家内も言われるとおりちゃんとやったら、その通りになって褒めてもらっていた。
私は最初に勢いよく注ぎ過ぎて3分の1ほど残して、いっぱいになってしまって、『ダメだと』オコラレテしまった。
客もいろいろいるだろうから、そんな彼女がオモシロいとファンになる人もいるだろうが、怒って二度と来るかという人もいるのだろう。
私自身は、自分の思うように自由に食いたいほうだから、どちらかというとこんな職人気質のお店は苦手である。
ただ、けんかをしてしまうようなことは絶対にない。
料理は、美味かったが、自分で進んでもう一度行きたいということには多分ならないだろうと思う。世の中には、そんなに無理しなくても、美味いものなど山ほどあると思っているのである。
この話もちょっとFacebook にアップしたら、川崎にお住いの森さんが、こんなコメントを頂いた。
食いものの話、今回の鎌倉行きの中でいろいろあって、おいしいものいっぱいだった。
翌朝の『鎌倉プリンスホテル』の朝食バイキングがまた秀逸で、少々食い過ぎたので、昼飯はパスしたし、三木に帰宅しての夕食も軽くすました。
『いい料理、いいお店雑感』 である。
こんなこと書いてるが、今回の鎌倉行き、息子夫婦にはほんとにお世話になって、大満足で帰ってきた。
そのお礼に、孫の古谷仁のダンスの動画、いっぱい創って送っておいた。
これは私にしかできない芸当で、孫も息子夫婦も喜んでくれるはずである。