★ 川崎重工のOB会の相信会に出席した。
昔の仲間たちに会えるのもいいものだが、最近は会合前に行われる講演会がなかなかいい。
今回は、元第十管区海上保安本部 本部長をつとめられた澤井弘保さんの
『海洋における国家管轄権の行使と危機管理』
副題 北朝鮮工作船事件と尖閣問題について
というテーマで1時間半に亘るもので非常にオモシロかった。
『四方を海に囲まれている日本だが、こんなに海のことに無関心な国民も少ない。そんな中で幾らかでも海のことに関心をお持ちの川崎重工業のOBの方たちに・・・・』ということから1976年に海上保安大学校を卒業された澤井さんの話は始まった。
言われてみると、確かに海のことは殆ど解っていない。
極端に言うと『海上保安庁』と『海上自衛隊』の違いもよく解らなかったし、話の殆どは初めて聞いた知識だったのである。
オモシロイ話いっぱいだったが、そんな中から私のアタマに残った話題の幾つかをご紹介してみようと思う。
いろんなことが話されたが、まず
● 『領海」『接続海域』そして『排他的経済水域』の3つがあり、最近ようやく 排他的経済水域の面積で言うと、日本は世界の第6位の大きさで、この海域の地下資源などが将来嘱望されていて、最近はやっと話題に上がる様になった。
領海は全て日本の海かと思ったら、
宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡(東水道、西水道)、大隅海峡は領海だが公海に指定されているそうである。
これだけがその理由ではないのかも知れぬが、
『潜水艦は公海は潜水したまま航行できるが、領海内だと海上を航行しなければイケナイ』そうである。それはアメリカやソ連などにとっては軍事上大変なことなのである。今後中国にとってもそれは言えるのだろう。
● ロシアや韓国、さらには中国からみた日本の位置で、これらの3国が太平洋に進出をしようとするとき、その行く手をさえぎっているのが日本であることはよく解る。
この白っぽいところが所謂大陸棚なのだろう。
その日本は6000を超える島から構成されており、その殆どが無人島だと言う。尖閣諸島もその中の一つなのである。
● 海上自衛隊と海上保安庁は同じ役所かと思ったら、
諸外国の軍艦への対応は海上自衛隊が担当し、非軍事の公船や民間船舶への対応は海上保安庁が担当する。
海上保安庁は所属する組織が純粋な行政組織であるため自ら「海の警察」と表現している。だが有事の際は軍隊の一部として参戦することが国際法では認められていることや、自衛隊法でも有事の際には海上保安庁長官を防衛大臣の指揮下に組み込めることから、準軍事組織との見方もあるようだ。
海上保安庁の職員数は約1万2千人、予算規模は約1800億円であり、その中の52%が人件費である。なお、海上自衛隊は人員約4万5千人、総予算規模約1.05兆円であり、海上保安庁の国民1人あたりの税金負担は『2800円』 でめちゃ安くついているとか言われていた。
それでも2012年5月現在、合計432隻の船艇、72機の航空機を有している。
● 海上保安庁も、海上自衛隊も『掃海能力』などは世界第一級のレベルで、戦後の日本近海の6万個にも及ぶ機雷除去の実績などから、朝鮮戦争時にはいろいろと機雷除去で活躍しそれが、朝鮮動乱の終結にも繫がったとか。 いろいろあるものです。
記憶に新しい尖閣諸島中国漁船衝突事件とは、2010年9月7日午前、尖閣諸島付近で操業中であった中国漁船と、これを違法操業として取り締まりを実施した日本の海上保安庁との間で発生した一連の事件も海上保安庁扱いの事件であった。
このほか、北朝鮮工作船拿捕の話なども裏話的なことが聞けてオモシロかった。
★世の中のことは、どれが正しいのか?
見る方向によって、いろいろとあるものである。
こんな話を聞くと、何にも解っていないんだなと思うことも多いのである。
まあ、こんな講演もなかなかよかったが、
昔の仲間たちにもいっぱい会えて楽しかった。
二輪関係の先輩方もだんだんと出席率が悪くなって、今回は単車関連では私が一番の年長者になってしまった。
いつも出席される大槻幸雄さんが、今回は所用で出席されなかったからである。
後輩もいいが、この歳になると先輩が懐かしいものである。
中学校の先輩でもある砂野耕一さんとちょっとだけだがお話しが出来てよかった。いつものことだが中学校の通学の時の話をされるのである。いつも同じ話なのだが、同じ話を聞いても、楽しいから不思議である。
そんな川重のOB会 相信会だった。 次回は7月のはずである。
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