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7万台への挑戦 新しいカワサキのイメージ戦略   その3

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★『7万台への挑戦 新しいカワサキのイメージ戦略 その3』は、 当時の広報活動と私自身の経営に対する考え方である。
 当時の広告宣伝課を担当していたのが小林茂くんである。
         『彼の講演会での話』はこんなことからスタートしている。


  

  いきなり『ヌードの写真』だが、  『男カワサキ』などの固いイメージを払拭する様な  『新しいカワサキのイメージ創造』がこの時期の広告では続いている。
  私自身は若い頃、広告宣伝課長なども経験しているのだが、  この時期、小林君に任せきりで具体的な指示など出したことはない。  彼の発想で自由な広報活動が続いているのである。
  『経営の方向』は確りとグループ全体に徹底はするのだが、  その細部は全て『部下に任す』のが『私のやり方』なのである。    『権限とは、その人に与えられた「誤りの量」である』   その『誤りの量』の範囲なら一切口は挟まないのである。
   当時は小林君も課長と言っても多分40歳前後の若さだったと思うが、   結構自由に思い切ってやっていたと思う。

         業界の申し合わせで『スピード』などを直接訴えることはペケなのだが  上手に『たまよりも早く』と猫を使ってすり抜けている。


              このように、小林君独特のユニークなトークが続いている。

   


★ この時期のグループ全体の狙いと考え方を次のように纏めている。
  それは7万台の目標達成のためには  『新しいカワサキのイメージ創造』がMUSTだと思っていて、
  そのための対策方針としては  ● 時流にのっていること  ● 他社との差別化(追随を許さないレベルを狙う)  ● 話題性  ● ネットワーク  ● 末端ユーザーとのダイレクトコミユニケーション  などを挙げている。
     

 当時の広報活動もその線に沿ったものになっているのである。
 折角の機会だから30年前の小林茂くんの話っぷりを ご紹介しておこう。
  
  


 ★この講演会の最後は私が纏めているのだが、 いろいろ話している中で、『私独特のバランスシート』の部分をご紹介することにしたい。
 それはこんな形のバランスシートなのである。
  

  特に販売会社のバランスシートは『ソフト分野』が最も重要で、  その『ソフト』は高質人材によってのみ創造される。  従って『人材の育成』こそが最も重要だと思っている。
  それをこのように話している。

      このバランスシートは、私の部長研修会の時に私が発表したもので、  その時出席されていた財務担当重役からお褒めの言葉を頂いたので、  それ以来、社内でも使っているもので、  当時のカワ販は日本では珍しい無借金経営の超優良企業になっていた。  400億円の売り上げを総資産100億円で回していたので、  年4回転もしたのである。  日本の経営ではどちらかというと量の拡大・売上高に注目されるのだが、  そんな対応からは『いい人材』は育たない。
 この講演会でも3人のスピーカーに何の打ち合わせもなく喋らしたのも、 『人材育成のいいチャンス』だと思っているからなのである。
 『7万台への挑戦の時代』1990年代は カワサキ50年のカワサキ二輪事業の中で国内販売の最高の時代であった。 ホンダ・スズキ・ヤマハの方とも非常に懇意にして頂いたし、 親しくして頂いたホンダの方から年賀状で、 『カワサキに10年遅れた』と言って頂いたりしたのである。  業界でも『1強3弱』と冗談で言って頂いたりしたが、 ホンダさんの青山で、二輪業界全体のユーザー対策として 『カワサキのKAZEの状況』を隠さずすべてお話などしたのも、 『二輪業界の発展』こそが最も重要な課題だと思ったからなのである。

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