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昭和42年(1967)という年の想い出

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★ ホントに長く生きてきたが、  自分の人生にとって『転機となったかな』と思える年があるものだが、  昭和42年(1967)はまさしくそんな年だったのだと思う。
  先日、明石から仙台への転勤で、餞別に貰った車を、  明石から仙台まで独りで陸送したことをアップしたのだが、  その年の日記帳をもう一度読み返してみたのである。

     

  この年には、仙台への異動が決まり、それこそ1月5日に明石を出発して、 ひとり仙台に向かっているのである。
 当時の東北6県は未だ自前の代理店の時代で、 東北カワサキ会の会合で当時の岩城本部長に『事務所を』という要望が出て、 岩城さん『Yes』と即答をされたというのである。 その時、岩城さんと一緒に出席していた八木健さんが担当すると思ってたら、 『お鉢が』私に回ってきたのである。
 会社からの指示は、『仙台に行って事務所を創れ』というただそれだけで、 具体的な指示など全くないのである。 それは前年の11月のことなのだが、 12月に仙台に出張して、住む家だけは決めてきたのである。 東北・仙台ということで家賃は関西などに比べて安かったので、 一戸建ての家を借りることにしたのである。 結婚して以来ずっとアパート暮らしだったが、初めての一戸建ての家だった。

★ この年の日記を読み返してみると、ホントに頑張っている。 日記に書いている事柄の8割は会社の仕事のことばかりである。 会社の方も何の具体的な指示もないのだが、 逆に100%私の思うようになったところもある。
 『もう少し慣れて、暖かくなってからにしたら』とも言って頂いたのだが、 1月20日には家内と二人の子どもたちと仙台の住人となったのである。
 ホントに全く何もなくて、事務所は宮城カワサキに机をひとつ置かして貰って、 たった1人でのスタートだったが、3月にやっと女子社員を採用して二人となった。 東京を本拠にして出張ベースでやってくる部長と3人の社員とでこなしていた。
 代理店営業なのだが東北6県を車で飛び回って、めちゃめちゃ忙しかった。 務まったのは、やはり若かったからだろう。 2月の中旬以降は各県の代理店の『サブ会議』が開催されて、 100名以上の販売店主を前に挨拶をさされたし、 初めての『仙台事務所』ということで何もなかったのだが、 注目度だけは高かったし、期待も大きかったのである。
 仙台=秋田ー岩手ー八戸ー津軽と続いた『サブ会議』には カワ販からは苧野専務・川重技術部からは大槻幸雄さんも来て頂いて ホントに盛大だったのである。 
★ 私自身の性格というか、入社以来『はじめてのこと』ばかりをやってきたので、 この『仙台事務所』の運営も忙しかったが楽しくやれたのである。
 営業は素人だったが当時日本で一番盛んだった東北のモトクロスに関しては、 前職が広告宣伝とレース・マネージメントだったので、 当時の山本・歳森・星野・梅津・岡部などのライダーが顔を見せてくれたので、 そんなこともあって、代理店からの信頼も思いのほか簡単に得られたのである。
 この年のMFJの全日本MXは福島県の自衛隊演習場で行われたのだが、 この場所の設定にもちょっと関わったし、90・125は山本・星野が優勝、 250は新しいマシンのヤマハの鈴木忠男が優勝したりしている。
 ★ 3年間ライダーたちの面倒を見てきたので当時のカワサキのライダーたちも、  岡部能夫など『東北では命を懸けて頑張る』と、実際に優勝もしている。  日記を見ていると  当時はまだ秋田にいた金子豊(星野レーシング)も仙台まで遊びに来ているし、
  6月には、金谷秀夫がから手紙を頂いたりしているのである。
   

  そんな私より若かったライダーたちなのだが、       これはもうずっと後のことだが、東京に行った時に  星野一義がご馳走してくれた時の写真である。
    
     『数多いライダーたちの中でも一番印象に思い出に残っているライダーたち』 と書いているが、金谷秀夫も岡部能夫も金子豊も、もういないのである。

★この日記を読み返していて。 ブログにアップしようかなと思ったのは、 金谷秀夫の手紙が挟んであって、それを読み返してみたからなのである。
 このあと1年程で金谷はヤマハに移り、 GPライダーとして『世界の金谷秀夫』となるのだが、 ホントに彼は『いい奴』っだし、 ライダー引退後はカワサキの『Z1会の常連』として、 カワサキ時代に戻って、昔の仲間と付き合っていたのである。

★ この仙台時代に私が経験した数々の事柄は、初めてのことばかりだったし  自前の代理店を相手の営業などこの時代を最後に消えてしまったのだが、  旧いけど、なかなかいい人間関係などがベースの『昔の営業の経験』が  その後の『私の人生』で一番役に立ったのかなと思ったりする。

  自分の書いていることなのだが  『日記を読み返すのもなかなかいいな』と思ったのは  『正直な感想』なのである。  
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