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7万台への挑戦 新しいカワサキのイメージ戦略の時代 9

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★ 7万台への挑戦に関する『私の生き方、考え方&意見』も 第9話になった。   今回はユーザークラブKAZEについて。

    


1989年当時、ホンダさんのHARTをはじめユーザークラブが盛んであった。 私がカワサキオートバイ販売に異動した88年10月には,カワサキにもKAZEというネーミングもユーザークラブも既にあって、KGRC(カワサキ・グッド・ライダース・クラブ)を中心に熱烈なカワサキファン約1000人ほどの規模だったのである。
11月には『KAZE ジムカーナ全国大会』などが開催されたりしていて、全国のカワサキ親派の販売店が中心になって運営されていたのである。

★そんな状況の中で、『7万台という販売目標』を背負っての国内市場担当となったのだが、7万台を実現するためには放っておいてもカワサキを買う『熱烈なファン』ではなく、一般のより多くの人たちに働きかけることがMUSTで、
 KAZEのネーミングは Kawasaki Amuzing Zone for Evrybody の頭文字をとったもので、  この『Everybody』は私はなかなかいいと思って、 ホントにそのようなファンクラブにすべきだと思ったのである。


★就任と同時に、『ソフト会社の設立』は私のアタマの中にあって、このような『ユーザークラブ』はその核になるものだとは思っていたが、その規模は1000人などと言うようなちっぽけなものではなくて、少なくとも万単位のモノを狙うべしと思っていた。
そんなこともあったものだから、まず最初にやったのは、熱烈なカワサキ販売店の組織『KGRCを潰す』ことからスタートしたのである。
私自身は全国の理事を務める販売店各位とは従来から面識はあったのだが、『組織を潰す』のは意外に難しいので、いろいろ考えて、その会議を有馬温泉の最高旅館と言われた『中の坊瑞苑』で開催したのである。 当時で一泊10万円近い値段だったが、それはめちゃくちゃ豪華だったのである。そんな豪華なところに理事さんたちをご招待したのが効いたのか、実質『解散会』ではあったのだが、特に大きな問題もなく、『私に一任』を取り付けたのである。

★ 当時の各メーカーのユーザークラブは、すべて年3000円の年会費を徴収していて、最大と言われていたホンダのHART は『10万人の会員』と豪語していたのだが、『HART の10万人の会員は実存してはいない』というのが『私の仮説』であった。
若し『10万人いたら』、 毎月1万人の満期退会があって、毎月1万人を補充しない限り、『10万人を維持』することは出来ないので、これは無理だと思ったのである。
そんなことから、ホンダを抜いて『トップのクラブ』にする可能性はあると思って、
カワサキとしては、● 単なる担当者ではなくて、本格的に事業として対応する『ソフト会社の担当』とし● 会員カードは単なる『カード』ではなく、JCBと組んだ本格的なものとすることとして対応することとし
89年2月には『ソフト会社設立』が川重経営会議で承認され、3月にはJCBの常務が来られて、正式に契約し、4月1日にケイ・スポーツ・システムが正規にスタートして、『新しいコンセプト』の下に『ユーザークラブKAZE』がスタートしたのである。


特に『JCBと組んだ本格的なカード』としたのは、『JCBカード』にしておけば、1年の期限が来ても『止めにくいはず』だからホンダさんと太刀打ちできるという想いがあったのだが、このコンセプトが想定以上に当たったのである。
『初めてのカード』という人が殆どで、JCBにとっては『まさに貴重』だったようなのである。さらに本格的な『JCBカード』にしておけば『止めにくい』という仮説は、実に『自動更新率95%』を誇ったので、最初1000人からのスタートだったのだが、最高55000人の実質会員を形成して、KSS経営を財務的にも支えたのである。
後日談だが、鈴鹿のレース場などではカワサキのユーザーが圧倒的に多いものだから、ホンダさんから『KAZE会員は何人いるのですか?』と聞かれて『55000人です』とお答えしたのだが、『ホンダさんは10万人』と言われてますが、とお聞きしたら、あれはHARTに入会した『延べ人数』で現実にはそんなにおられなかったのである。
そういう意味では、私の『最初の仮説』は正しかったのである。

  



★その当時から約30年が経って、いま二輪業界で現存するユーザークラブはKAZEだけである。 Kawasaki Amuzing Zone for Evrybody 
 for Everybody  だから、別にカワサキを持っていなくても大丈夫で、 私は未だに『KAZEの現役会員』なのである。

『いい仕組み』を創れば、いつまでも機能する。30周年を迎えたKAZEなのだが、そのシステムは殆どが昔のままである。
『コロナ新時代』を迎えて、世の中のシステムは、大きく変わろうといている。

 当時は、JJSBAのレースが最高に機能したのだが。 そんな話もまたの機会に・・  
 


★ もう一度、本当の意味での末端ユーザーや社会を見つめた 新しい時代の新しい仕組みで対応したら、今の二輪業界の倍増など そんなにムツカシクはないのでは、などと思ったりする。
 世の中は『販売網』などではなくて、末端の社会と直結した『ネット社会』では? といつもそう思っている。
 KAZEの末端ユーザーこそ、本当に大事にすればいいと思っている。 少なくとも、今そんな組織があるのは、カワサキだけなのだから・・・・・
 
  昨日だったか、こんなニュースが、  無観客だがネットで繋いだ『競馬が人気』だそうである。
   https://mainichi.jp/articles/20200418/k00/00m/050/075000c
 

  新しい時代に、二輪の新しい売り方など出来ないものかな?  私の周りには、店も、従業員もいなくても、  オモシロい商売をされている方もいる。
  4輪と違って、二輪はなかなかいいユーザーがいっぱいだから、  直接、繋ぐ発想が出来れば・・・ それは充分可能のように思うのだが。
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