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二輪車事業雑感

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★いまでも自宅に二輪車新聞が送られてくる。そんな新聞情報だが、何となく日本の二輪市場の状況が解るのはこのお陰である。

その二輪車新聞の最新号には、Kawasaki 2012 全米ディ―ラ―ティングの様子が一面に大きく報道されている。

『厳しい中で日系トップシェア堅持』フロリダに2800人集う と見出しが躍っている。

 

米国内のカワサキファミリーが一堂に会して今回は4日間の日程で行われたようである。

日本からも事業本部長以下が出席して、ニューモデルの発表会など、ちょっと日本では考えられないような規模で、アメリカ的に行われる。招待される販売店もアメリカだから当然夫婦同伴なのである。

もう何十年も前から、こんなスタイルで続けられているものである。

 何回か出席したこともあるが、当時はアメリカが二輪事業を支える中枢であった時代である。

この記事を見て、『今でも昔と同じように、やっているんだな?』と、この記事を眺めていた。

 

★つい最近、こんなブログで、こんな数字を見たばかりだったから、余計にそう思ったのかも知れない。

「ハーレーダビットソン」
 ■1-9月累計
  ・売上高  37.1億ドル
  ・営業利益  4.918億ドル
  ・営業利益率 13.2%
   ・全世界の販売台数は、各四半期毎に49595台→83396台→61838台と安定した台数を確保

「ホンダ」
 ■上半期
  ・売上高  6,876 億円(前年度比+8.6%)
  ・営業利益   838 億円(前年度比+36.8%)
  ・営業利益率  12.2% 

「ヤマハ」
 ■1-9月累計
  ・売上高  6,915 億円(前年度比△0.4%)
  ・営業利益  329 億円(前年度比△22.9%)
  ・営業利益率  4.8%
  ・アジア及び中南米は伸長したが、欧州販売減と為替差損
 
「スズキ」
 ■上半期
  ・売上高  1,377 億円(前年度比+4.9%)
  ・営業利益   7 億円(前年度比+48億)
  ・営業利益率  0.5% 

「カワサキ」 
 ■上半期
  ・売上高  1,062 億円(前年度比△6.2%)
  ・営業利益  △23億円(前年度比△12億)
  ・先進国の販売不振と為替差損
  ・新興国への事業展開を促進する→インドネシア/タイ/ブラジル市場の拡大強化及びインド市場の開拓に着手
 

残念ながらカワサキだけが営業利益が赤字だが、その額は大した額ではないのだが、ホンダは増収増益、ヤマハは前年度よりは悪化しているが、5%近い営業利益はスゴイなと思った。

どちらも、経営の主体を開発途上国に移していることは間違いない。

私たちが知っている当時の二輪市場とは全く様変わりの環境下での二輪事業展開であることは容易に想像できるのである。

 

★数値を見せて頂いたブログには、いろいろと記述されているが、このように纏めておられる。

ハーレーやホンダ/ヤマハの二輪事業展開を観察すれば、世界的不況と言われる中でも二輪事業は極めて高い収益性を確保できる事業体と言える。
それは、市場動向を見た的確な戦略と素早い決断/実行力が高い収益性を確保できる事業体であることを、ハーレー、ホンダ/ヤマハの決算から読みとれる。
つまり、二輪事業は経営手腕によって、どうにでもなる事業体と言えるのではないだろうか。


そして、今期二輪企業の収益性のSHOOTOUT WINNER は「ハーレーダビッドソン」だろう。
ハーレーダビッドソンの主軸はハーレーが持つ独特の背景、つまりハーレーのバックグランドの明確さにある。
これが、先進国のみならず新興国の二輪ユーザに支持されている理由でもあると思う。

特に、『二輪事業は経営手腕によって、どうにでもなる事業体と言えるのではないだろうか』というところは全く共感するところである。

確かに、カワサキはホンダ、ヤマハのようなスクーターを持っていないし、新興国での市場での台数的な不利なところはその通りなのだが。

一般に言われている為替問題などは、もう何十年前から何度も経験していたことだし、そのシステム的な対策が為されていて当然なのである。

時代も、環境も、市場も完全に変わってしまって、一時は潰れかかったハーレーが今やトップメーカーなのである。

経営的にいろんな難しい問題はあるのがろうが2000億円もの売り上げがあり、モノを開発し、生産し、販売する、その販売分野の殆どを100%出資の自らの会社が担当しているのである。販売と言う分野は、どんな規模でも成り立って当然なのである。その販売会社を『子会社』と認識しているところに錯覚があるような気がしてならない。

そこが事業の中心で、開発や生産機能はそれを補佐する機能だと考えるべきだと思ったりする。

 

★経営の中枢の事務屋がもう少し機能して、時代にあった総合システムを再構築しないと、経営環境は全く変わってしまっているのではなかろうか?

アメリカでトップシェアならともかく、日系企業でトップなどと言っていること自体が、確かにその通りなのだろうが、小学生の徒競争的認識なのかも知れない。

日本のプロ野球にDeNAが参入する時代なのである。日本市場でいま時『対面販売がMUST』と言う発想は、???である。消費者が『対面販売』を100%望むのなら別だが、そんなことはあり得ない。店など無くても、セールスなど居なくても、ネットだけで累計1000台以上の『大型二輪車』が販売できる時代なのである。

 

日本が生産の中心であった時代は過ぎ去った。

日本が二輪事業の若し中枢であるならば、最も求められるのは『本社中枢機能』なのだろう。

売上高が2000億円もある規模の事業体なのである。 幾らでも健全経営できる仕組みの構築が出来るはずである。

開発にアタマを使うように、経営システムの構築にぜひアタマを使って欲しいものである。

 

こんなブログを見ても、時代は変わったな、としみじみ感じてしまうのである。 

 

古谷錬太郎 古谷錬太郎   『仕組みを造るのは非常に高度な仕事である。それを創らずに創意工夫してやれというのは酷である。損なやり方』と服部吉伸さんは言っておられるが、確かに仕組みは難しい。然し……カワサキ頑張って欲しい。 今朝のツイート である。

 

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