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朝鮮・京城の想い出 8月15日終戦記念日

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★人生の中で一番明確に覚えている日は、 なぜか、昭和20年8月15日、終戦の日のことである。  もう76年も前のことだが、当時私は中学1年生だったのである。
 朝鮮京城の城東中学校の校庭で直立不動の姿勢で天皇陛下の玉音放送を聞いていた。よく聞こえなかったのだが『戦争に負けた』ということだけは解ったのである。
この時から世の中突然が一変したので、その記憶も鮮明なのだろう。朝来た時は乘れた市電が帰りには朝鮮人に占拠されて乗れなかったのである。
今日がその8月15日・終戦記念日である。
今までは日本であったのに『日本ではなくなってしまった』のである。京城は米軍が駐屯したので治安などには問題はなかったが、夏休み中の出来事なのに9月になっても学校は始まらず、この日を境に本当に世の中は一変してしまったのである。

★まだ中学1年生だったが、12月15日に日本に引き揚げるまでの4ヶ月のことは、よく覚えているのは変わりようが凄まじかったからだろう。
9月頃だったと思うが私はサッカーをしていて『足の骨を折ったのか、ひびが入ったのか』歩けなくなってしまったのである。医者もいなくなってしまったので、ただ寝ていただけなのである。所謂『引き揚げ』は9月頃から始まってはいたのだが、私が動けないので妹たち3人は伯父が引き上げる時に一緒に連れて行って貰って、父母と私の3人が、私が歩けるようになるまで残っていたのだが、11月に生まれた一番下の妹と4人で12月に引き揚げてきたのである。
引き揚げの時には1人1000円の現金しか持つことが出来なかったのだが、当時の人達はみんな家もお金もそのままに帰国したのだろうか?たまたま我が家は米軍の空軍将校が買ってくれてお金も入ったようだが、それを持ち帰ることなど出来ないのである。
通訳の人が『金塊』に変えたらそれを『空軍の飛行機で伊丹まで送ってあげる』とかという話で、100%信用した訳ではなかったのだろうが、父は金を『金の延べ棒』に変えたのである。私も一生のうちで『金の延べ棒』など見たのはこの時が最初で最後だが、通訳の人に渡した1貫500匁の15本ほどの金の延べ棒など、いつまで経っても伊丹などには届かなかったのである。
今思うと不思議にも思えるのだが、ホントの話なのである。

★そんな色々な想い出のある京城・今のソウルなのである。朝鮮王朝500年の王都で「ソウル」とは朝鮮語で「都、首都」意味するそうである。「ソウル」は、漢字では漢城・漢陽・京城・京都などの変遷があったにも関わらず、朝鮮民族はこの地を「ソウル」と呼んできたとか。
「京城」は、日本統治時代(1910年 - 1945年)に使われた名称で、その後1943年には区制が導入されて、7区=龍山区・東大門区・城東区・西大門区・永登浦区・鍾路区・中区になった。私は城東区に住んでいたが、今でいう新興住宅地だった。『朝鮮京畿道・京城府城東区新堂町桜ケ丘』までは覚えているのだが・・・

ソウルの街の中心を横切るように漢江が流れているが、古くから発達したのは江北で、戦前は漢江の南は何もなかったのである。



 88年のオリンピックが開催された競技場があるのも漢江の南なのだが、それは戦後のことで、戦前は広大な野原が広がっていたのである。



★ Googleマップでいろいろ調べてみたらいろいろ解るのである。  左の印から冬にはスケートに毎日のように行っていた『将忠壇公園』 真ん中が『我が家』がありすぐ横に『桜ケ丘国民学校』 右が『玉音放送』を聞いた『城東中学校』の位置である。 そして左下の山が有名な『南山』である。 
 将忠壇公園の こんな池が凍って スケートが楽しめたのである。 家からこの公園までは歩いて行ける距離だった。



 1988年のオリンピックでソウルに行った時に懐かしい小学校の写真を撮ってきた。当時の日本の学校は木造だったが、京城では鉄筋コンクリートでスチーム完備だった。
 

これは京城駅。  

 すぐ近くに京城三越などもあったが、 いずれも当時の内地よりは立派に造られていたように思う。  



★ 韓国に於いても8月15日は『光復節』という祝日のようで、「本来光が復する(戻る)」という意味の単語が、「朝鮮の日本統治からの離脱」を意味するようになったようである。
 それは朝鮮民族にとってみればその通りでお祝いする気持ちは解るが、 戦前日本が残したいろいろな資産が、今の韓国のベースになっていることは間違いない事実だから、 少しは感謝の気持ちがあって然るべきだろうと思う。
 小学校も、駅も、鉄道も、百貨店も当時の内地のそれよりも 一歩進んだ立派な構造なのである。
 私にとっても故郷のような韓国だから、 ほんとに仲のいい隣国になって欲しいのだが、 なぜ台湾のような関係にならないのだろう?
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