★昨日、関西国際大学の学生さんに講義をする機会があって、与えられたテーマ『カワサキの二輪事業とNPO The Good Times 』についてお話をしたのだが、その中で『顧客の満足』についてもお話をさせて頂いた。
『顧客の満足』所謂『CS』と呼ばれているのだが、日本における『CS』は、ある意味正直なのだが、どうもその本質が間違ってるのではないかと、現役時代から思っていた。
『CS』とは、日本の場合、殆どが『Customer Satisfaction』で使われている。
辞書で調べるとこのように出てくる。
『Customer』は確かに顧客ではあるのだが、それは得意先、取引先で、末端のお客様ではないのである。
『ある意味正直』と言ったのは、日本の社会は、『顧客の満足』などと言ったりするが、本音では『取引先』など業界団体に属した人たちの満足を考えるのが一般的で、それが『利権構造』に繋がっているとも言えるのである。
これはおかしい。 本来『顧客の満足』というなら、末端のお客様=消費者 の方たちに対しての『満足』であるべきだと思うのだが、そこまできっちりと考える方が、日本では少ないのだと思う。
カワサキの場合は、1990年代の事業部のネーミングが『Consumer Product』=CP事業本部 であったこともあるのだが、ちゃんとその意味が解っていて、
当時のカワサキの目指すマーケッテングの目標は、明確に『Consumer Satisfaction』であったのである。
★日本の社会は、口では末端の一般大衆の満足を追っかけているように見せかけているが、本音は自らの『取引先の満足』『自らのグループの満足』を第一に考える体質・構造になってしまっているのである。
二輪事業で言うなら『販売店』のことばかりを考えてしまうのである。
昨日は、学生さんたちには、表面のことよりも物事の本質をちゃんと考えて、その対応をしないといけないと申し上げた積りである。しかし、なかなか現実はそうではないのである。
その具体的な例として、1990年代 髙橋鐵郎さんが社長で私が専務で引っ張ったころの『カワサキの国内体制』のこんな図表をお示ししているのである。
Kawasaki. Let the good times roll !
というカワサキが掲げた基本コンセプト、『Kawasaki に出会う人たちがハッピーになるような活動を展開し続けます』
と言っているのだが、『出会う人たち』は単に販売店だけではないはずなのである。
『遊びやこころの満足』 CS(コンシューマーサテイスファクション)活動 と明確に表示されている。
そして『ユーザー・仲間・社会』と末端の社会に直接働きかける活動を主体にしているのである。
当時は販売店をARK (Authorized & Reliable shop of Kawasaki) と呼んでいたのだが、ARKに対する働きかけももちろんあったのだが、それ以上に末端のユーザーや社会に対する活動のほうが主力だったのである。
そんなちょっと見ると『販売軽視』のような仕組みではあったのだが、トータルシステム、『仕組みの勝利』でカワサキの国内市場史上最高の7万台の販売が 自然に達成できた時期なのである。
勿論、その結果から利益も最高に出たのだが『利益に文化の香りがする』そんなカワサキ国内グループをKAZEのファンクラブの人たちと共に、実現できていたと思っている。
★昨日は、結構時間も頂いたので、いろんなことをお話出来たのだが、将来、直接『二輪の世界』には関係なさらないであろう学生さんたちにも、このような日本の、日本人の発想への反省みたいなものは、知っていてほしいなと思ったのである。
どうしても『利益目標中心』に展開される企業経営だが、それ以上に大事なものが『基本コンセプト』や『ブランドイメージ』なのである。
服部吉伸さんのこんな言葉を、大事にしたいと思っている。
『企業の文化が問われている。そしてどのような思想、考え方、価値観を持った企業なのかが問われている。『うちは慈善事業をやっているのではない』と言えば、そのような企業でしかないということだ。『利益に文化の香りがする』そんな企業になって貰いたい。』
昨日の関西国際大学の学生さんたち、ほんの数時間の出会いであったが、私なりに一生懸命、私の想いを伝えた積りである。後で、読み返して頂けるように、事前にも事後にもこうして書き残している。
昨日、教室でお会いした方たち何人かはFacebook で繋がっているし、昨日も新しくトモダチ申請など頂いたりしたのである。
今の時代、まさに『異種・異質』な方たちが簡単に繋がるいい時代なのである。
昨日は『いい時間が、Good Time なひと時』が過ごせてよかったと思っている。
松本先生は早速、Facebook にこんな写真をアップして頂いて、満足されてるのは間違いないのだが、
『学生さんたち』は果たして『満足な時間』であったのかどうか?
松本先生は、私の『Customer』であるのだが、『Consumer』は、学生さんなのである。
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