★現役の終りに近いころ、
私はカワサキの国内の流通部門を担当していた。
そのころ見つけた1冊の本
『これからの流通業』 服部吉伸著
もう20年も前のことだが、その中の文章から拾った言葉の幾つかである。まだ、服部吉伸さんも無名に近いころだったが、表現が非常に的確で、今でも間違いなく通用すると思っている。
ご自身の主張の通りの展開をやってる実業家がいると、お近づきになって、いろんなことがあったのだが・・・・
100%共感して、その言葉を書き留めて今でも持っている。私の発想の原点と言ってもいい。
流通業とは「自分の仮説の正当性を問うビジネス」である。
消費者の変化の本質を掴み、変化をどう自己の対策に置き換えるかと言うことが問われている。
仕組みを造るのは、非常に高度な仕事である。仕組みを造らずに放たらかしの形にして、創意工夫してやりなさいというのは酷である。損なやり方である。
システムとは手続き通りに仕事を進めてゆけば、意図した目的が実現できる仕組みでなければならない。現在のシステムは単なるデーターのアウトプット体系に過ぎない。
何が企業を変革するのか。それは企業コンセプトである。
企業コンセプトを見直し再提起しなければ第二次創業とはならない。
従って企業コンセプトは方針戦略より上位の概念である。
意識改革のできるのは、一部の極めて優秀な人に限られ指導者の能力の一つである。意識改革を行えと言うだけでは、マジョリテイに対する意識改革は出来ない。
マジョリテイに対する意識改革、それは仕事のやり方を変化させることである。
そして成功が意識改革の元である。
通用する発想とは正しく現状を捉え説得力があり、やがて多くの人の賛同を得られる考え方を指している。
ここでやがてという言葉を使っているのは、正しい考え方が最初から多数派である筈がないからである。
『世の中には原因のある問題と原因のない問題の二つがある。
原因のある問題は、原因の追究、把握、対策と言う思考ステップで課題を解決する。原因のある問題の解決に必要な能力は創造力と呼ばない。
創造力の源泉はアイデアであり思考ステップの特徴は「絞り込んで考え続けるというところにある。』
流通業には常識のウソが多い。
人が自分の価値を発揮できる状態を造りださない限り、人はコストにしか見えないだろう。人はコストではなく」価値創造者である。
企業の文化が問われている。そしてどのような思想、考え方、価値観を持った企業なのかが問われている。「うちは慈善事業をやっているのではない』と言えば、そのような企業でしかないということだ。『利益に文化の香りがする』そんな企業になって貰いたい。
★ 小野田滋郎さん (フィリッピンの小野田寛郎中尉の実弟)から教わった
戦略 戦術 戦闘 特に戦略論、戦略的発想
陸軍の話だが、戦場に行くまでは縦列行進、戦場では『ヨコ展開』 戦略本部は最後部